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「改めて聞くけど、目黒、本気、なんやな?」
「本気だよ。もう、逃げんのはやめた。」
…二人はなんの会話をしているの?
寝ぼけた、まだ働いていない脳では考えることもできない。
「大事すぎて大事にしてることすら、こいつには伝わってないんだろうけど。」
「あー、まあAちゃんそういうとこ鈍いからなあ。」
くるりと二人が私の方を見るから少しだけ開けていた目を閉じた。
「言うとくけど、今は俺のAちゃんやから。奪いに来るんは勝手やけど、前みたいに手出したら今度こそ目黒でも許さんで。」
「わかってるよ、反省してる。でももう手放したくないから、康二くんにこいつはやらない。」
二人で私の髪を梳く。
その手がどちらも優しすぎるから、心地よくて再び睡魔が襲うのに時間はかからなかった。
次に目が覚めたら、今度は二人が眠ってて、一人で笑った。
さっきの会話は…夢?
目黒はどうしてあんなこと言ったの?
聞きたくなかった。全部都合のいい夢だって誰か言って。
私の奥底に沈めた感情が再び蘇ってしまう。
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作者名:平野 頼凛 | 作成日時:2019年9月21日 13時