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プルルル、と数回のコール音のあと声が聞こえてくる。
「もしもし！Aちゃん？」
『も、しもし、康二くん？』
ほんの少しだけ声が震えてしまう。
気づかれた、かな。
「どうしたん急に！あ、もしかして俺の声が聞きたくなったとか？！」
スマホ越しに聞こえてくる笑い声混じりの康二くんの声。
『そう、声聞きたくなっちゃった。突然ごめんね。』
「んーん、暇やったし俺も声聞けて嬉しい。」
康二くんと目黒は真逆だと思う。
素直になんでも感情のまま伝えてくれる康二くん。
肝心なことは何も言わずに全部しまいこんでしまう目黒。
どうしたって似ても似つかない二人。
「…それで、」
突然話を切り出される。
少しの沈黙の後、康二くんの声が再び耳へと吸い込まれる。
「ほんまは、なんかあったんやろ…？どないしたん？」
ああ、この人にはどうしたって全部お見通しなんだな、って冷静に考えている自分がいた。
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作者名：平野 頼凛
| 作成日時：2019年9月21日 13時
