恋の方程式《Waku.M》 (ページ8)

今日:19 hit、昨日:42 hit、合計:263,152 hit

8 ページ8

そう、あれはキスなんてしてない…ただの未遂だった

確かに顔は近づけられたしキスはされそうになったけど、寸前でピタッと止まったじゃないか

それを元カレがキスしてると勘違いしただけのこと…

元木くんが顔を傾けたことで私の唇が元カレからは見えないようになっていたから…勘違いさせるのは簡単だった

松崎「湧さ、マジで語弊のある言い方すんのやめてくんない？」

『騙せると思ったんだけどな～…ネタバラシすんの早いって！』

「ご、ごめんなさい…」

松崎「いやAが謝ることじゃないからね？嘘つく方が悪いんだから」

「あ、そっか…」

私の言葉にアハハとまるで漫画のように豪快な笑い方をする元木くん。

なんだか、それが輝いて見えて…
主人公キャラってこういう人のことを言うのかな、なんてふと思った

そんな元木くんを見て、うるせえと言いながら肩にパンチをする恵美ちゃんは…ヒロインキャラだなとか。

『そう言えば名前知らないから教えてもらっていい？』

「あ、えっと…Aです」

『ありがと、Aちゃん面白いからすぐ覚えたわ。松崎と仲良くしてる子ってことで印象に残るし』

松崎「ちょっと、うちの子ナンパしたら許さないからね？」

『はいはい、考えとくよ』

じゃあね、と手を振って友達であろう人のところに寄っていく元木くんは…まさに学校中の人気者だった