恋の方程式《Waku.M》 (ページ42)

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今日も一日の授業が終わり、階段を下りて下駄箱で靴を履き替えて…校舎を出る

今日は恵美ちゃんはバイトみたいで、青木くんは塾らしい。

2人とも、一緒に帰れないって伝えてくるときに凄く謝ってくるからこっちが申し訳ない気分になっちゃうんだよね…

なんて考えながら歩いていると、上の方から私の名前を呼ぶ声が聞こえてきた

『Aちゃーん！上！』

「…わっ、元木くん？」

上から聞こえてくる声に顔を上げると、そこには教室の窓から顔を出して、私に向かって手をブンブン振る元木くんの姿があった

『今帰り？』

「そうです、けど」

『じゃあさ、一緒に帰ろうよ。俺も一人だし！ガンダで行くからそこで待ってて！』

待ってて、と言った元木くんは、窓から顔を引っ込めた。

暫く待っていると、少し離れたところから凄い勢いで走ってくる姿が目に映った

バッグ片手に猛ダッシュする彼は、流石運動神経良いだけあると思う。

「走ってきたんですか？」

『暑い中待たせちゃ悪くない？』

「でも、わざわざ走らなくても良かったのに…」

『俺がAちゃんを待たせたくないだけだから、あんま気にすんな』

私の頭に触れてグシャグシャと犬に接するかのように撫でる元木くんに、体が暑くなった

鼓動が早くなって…なんだか落ち着かないこの気持ちはなんだろう…