恋の方程式《Waku.M》 (ページ31)

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青木「わ…凄いね、屋上に来たの初めてだ！」

「そうなんですか？」

青木「前の学校は、屋上って立ち入り禁止だったから」

どこで一緒に食べようか迷った挙げ句、無難に屋上を選択した。

人もほとんどいないし、静かで過ごしやすい
だから青木くんでも気に入ってくれるかな…と思って。

その期待通り、青木くんは想像以上に喜んでくれた

「この学校、慣れそうですか？」

青木「最初は受け入れてもらえるかわかんなくてすっごいドキドキしたけど…Aちゃんがいてくれたから、大丈夫な気がする」

「そう、ですか。嬉しいです」

ニコニコしながらお弁当のおかずを頬張る青木くんは、私なんかより全然可愛くて。

男の子でこれだけ可愛いと…やっぱり自信なくしちゃうな。

…元木くんも、こういう子の方が好きだったりして。

青木「…Aちゃん」

「へ？」

青木「その、後ろ…」

つい考え事をしていると、名前を呼ばれて顔を上げる

青木くんは言いにくそうに、控えめに後ろを指差すから顔をその方向に向けると、少しだけ空いている階段への扉。

えっ！？と声を出すと、慌てたように“やべっ”と聞き覚えのある声が聞こえてきた

扉に近付き、少しだけ開くと…見えたのは元木くんと恵美ちゃんだった