恋の方程式《Waku.M》 (ページ17)

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『…あ、松崎！』

松崎「湧…ごめん、今忙しくて」

『どうした？』

松崎「いや、今日Aと一緒に帰る約束してたんだけど教室にいなくて…どこ行ったんだろう」

『え、俺さっき会ったけど…』

松崎「えー、じゃあ忘れてるのかな…ちょっと探してくる！」

『俺も行くわ。何もないなら良いけど、なんか心配だし』

…痛いなぁ、体よりも心が。

なんでこうなっちゃったんだろう

ただ平凡に、遠くから見てるぐらいがちょうど良かったのかもしれない

あの時選択した道は…間違いだったんだ

「…もう、疲れた」

女子の恨みって怖いなと改めて思い知った

体育館裏に連れてこられて突き飛ばされて酷い言葉で罵られて、それに反論出来ない自分になんだか泣けてきて…
私が何をしたって言うの？悪いことなんて、何一つしてないのに。

立ち上がろうとしても突き飛ばされた時に出来た手の傷から出てくる血や捻った足に呆然として体に力が入らなくて、もう、なんでも良いやとその場に寝転んだ

本当に私って情けないな～…

そう思って視界が滲みそうになったとき、私を呼ぶ声が聞こえてきた

『…A、ちゃん？』

「元木くん…？」

『おい！どうしたんだよそれ！』

あぁ、元木くんだ。

心配そうな顔で駆け寄ってきて、倒れこんだ私の汚れた服を見て体を起き上がらせてくれる

だけど、まともに顔も見れなくて俯くことしか出来なかった

「…何もないです。階段から足踏み外しただけなんで」

『そんなわけっ！』

「ほんとです。私、ボーッとしてるところあるんで、だから怪我もそんなに酷くないので心配しないでください」