恋の方程式《Waku.M》 (ページ15)

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《安嶋くーん、あれー？》

《本当にこっち来たの？》

《来たよ、だって見たもん》

《じゃああっち行ったのかな、探してみようよ》

教室の外で安嶋くんを呼ぶ声と、複数人の足音が響く。

塞がれた口に、近い距離、見つかってはいけない緊張感で心臓はバクバクとうるさい

暫くすると、女子たちはここにいないと思ったみたいで足音がどんどん遠くなっていった

「安嶋くん…？」

安嶋「ごめん、大丈夫だった？いきなり巻き込んじゃって…」

「全然…大丈夫ですけど、近いです」

安嶋「あっ！ごめん！」

女子たちが去ったあともその距離で話すから、こっちが恥ずかしくなって思わず指摘する

すると、安嶋くんは顔を赤らめて、勢いよく離れた

自分を落ち着かせるようにフーッと深呼吸をしている姿は普段の安嶋くんっぽくなかった

「あの…さっきのって、？」

安嶋「あぁ…女の子たちね。ちょっとしつこいから逃げてきちゃった」

「…そうなんですか。皆さん人気者ですからね」

安嶋「…湧と何かあった？」

「っ、なんでそう思うんですか？」

安嶋「なんとなく？根拠はないけど、雰囲気的に」

「そう、ですか」

安嶋「…あのね、湧って良いやつだから皆に好かれるの。でも、皆に優しそうだと思うかもしれないけど、それなりにしか思ってない人にはそれなりの対応しかしないから」

「どういうことですか？」

安嶋「これからも湧のこと、よろしくねって話。信頼して良い人だよ。困ったときは絶対に助けてくれる人だから」