恋の方程式《Waku.M》 (ページ14)

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廊下を歩きながら、頭を冷やす
いくら感情的になったって、あれじゃあただの八つ当たりだ。

人のせいにして、自分じゃ何も出来ないからって甘えてきた結果がこれ

…だから友達なんて出来ないんだ

こんな私にも毎日積極的に絡みに来てくれた元木くんを思い出して、私はなんて酷いことを言ったんだと後悔する

やりきれない思いを抱き、俯きながら歩いていると誰かと肩がぶつかる

条件反射で咄嗟に謝って顔を上げると…そこには見覚えのある人物

「あ…えっと、安嶋くん…？」

安嶋「あれ、確か…湧のお気に入りの子だよね？」

「お気に入り…？」

安嶋「ごめんね、今名前思い出すから。えっとね…Aちゃん、だっけ？」

「あ、そうです…」

安嶋「良かった～…間違えてたらどうしようかと思っちゃった(笑)」

ぶつかった相手は、元木くんと仲良しでよく一緒にいるのを見かける安嶋くん。

彼も元木くん同様に人気を誇っていて、私でも知っている人物

元木くん繋がりじゃなきゃ…私の名前なんてずっと知らなかったであろう人物だ
ましてやこんな風に話すのも初めて。今までなら絶対に関わることはなかった

必死に絞り出してくれた私の名前に、ちょっと嬉しくなってると…遠くの方で安嶋くんを呼ぶ声。

声の高さ的に、きっと女子だろう

やばい、こんなところ見つかったら更に私の立場が…そう思ったとき、腕を引っ張られて空き教室に連れ込まれる

「へっ？」

安嶋「ごめん、ちょっと静かにしてて！」

教室の廊下側の窓から見えないように、座らせられ、何がなんだか理解出来ない私の口を手で塞ぐ

…これ、どういう状況？