氷 の 外 で

純粋な狂気/Shoma [歪愛] ページ8

昌磨は天然で、純粋で、まるで幼稚園生みたいは真っ直ぐな性格をしている。
だからこそ、狂気も隠れていて。

宇｢Aが俺から離れる？許さないよ、そんなの｣
いつだったか、そんな話をしたことがあった。
彼は律儀に昔からの『ずっと一緒に居よう』とちう約束を守り、言葉通り常に一緒だった。
家は近いし、学校だって同じだし。
｢...そうだよね｣
だからこそ、変わりつつある昌磨に少しの不安があった。

これがエスカレートしなければいいけど。
幼馴染みであり、恋人でもある昌磨の横顔を見て私は少し不安になった。
宇｢絶対に離さないよ、死ぬまで傍に居るんでしょ｣
そう言って、ふわりと笑う。
ぞくりと背筋が凍ったが、私はぎこちなく笑い返した。

これは純粋な愛情、こんなに綺麗な愛を拒む必要がどこにあるんだろう？

私も最近、そんなことばかり考える。

宇｢彼氏なんか作らなくていい、結婚なんてしなくていい、全部俺が居るから問題ないよ｣
そして、ぎゅっと抱き付かれる。
昌磨の匂いと温もりと、安心感。
私もゆっくりと背中に手を回して、うんと頷いた。

例えこれが狂気でも構わないと思う。

｢昌磨は、綺麗だね｣
だって綺麗な彼には、綺麗な心が良く似合う。
誰がなんと言おうと彼は綺麗で、それを汚す者は許さない。
宇｢そう？｣

そうやって無邪気に笑う彼に、私も笑い返した。

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