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「...」
私はじっと手を握り締め、リンクを見る。
手元のメモ帳に、気付いたことを書いていく。
軸、体の向き、踏み込み、高さ...
こうして見ると、もっとこうしたほうがいいとか、ここを直せばこれが出来るみたいなのは出てくる。
そうか、だからここが...
シャーペンを顎に当てながらメモ帳を見ていると、横に誰かの気配がした。
「どうしたの」
宇「いや、練習の虫のAはちゃんと観察出来てんのかなーって」
ストン、と隣に座った昌磨は私の手元を覗く。
宇「うん...うん、あぁそうか。たしかに。」
そして頷いたり少し驚いたりをして、私を見てニコッと笑う。
宇「いいんじゃない?良くわかんないけど」
「分かってなかったの、あんな真剣に見てたのに?」
昌磨の天然?っぷりには感心してしまう。
宇「まぁAのことだし、精神的に落ち着いたら出来るって。良さそうなら明日からでもやってみなよ」
「今日は」
宇「ダメに決まってるでしょ」
.
「...?」
カシャン、と華麗に着氷。
何故だかいつもよりも回った気がする視界。
晴れやかな心。
私はスマホの録画を止めて、先程のジャンプを見てみる。
1、2、3
「よん...」
確かに私は四回転していた。
偶然じゃなければいいけど、と私はもう一度録画をセットしてジャンプする。
カシャン。
「...と、飛べた」
私はスマホを止め、リンクを上がりエッジを付けてすぐに昌磨の元に向かう。
1番伝えたいのは彼だった。
通路を歩く後ろ姿を見つけ、私は声をかける。
「昌磨聞いて、あのね」
昌磨は振り返り、優しい笑顔を向けた。
宇「飛べた?」
彼は理解していたようで、私は飛びっきりの笑顔を向ける。
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琥珀糖(プロフ) - ぬさん» リクエストありがとうございます。とても素敵なネタですね!頑張って書きます。これからもよろしくお願いします。 (2018年4月1日 22時) (レス) id: da50392b08 (このIDを非表示/違反報告)
琥珀糖(プロフ) - astroyuzさん» コメントありがとうございます。主の性格には特に気を付けましたので、そう言って貰えると嬉しいです!これからもよろしくお願いします。 (2018年4月1日 22時) (レス) id: da50392b08 (このIDを非表示/違反報告)
ぬ - 昌磨君と幼なじみのスケーターさんでエキシビで昌磨君にプロポーズされる小説お願いします (2018年3月30日 8時) (携帯から) (レス) id: b271d24507 (このIDを非表示/違反報告)
astroyuz(プロフ) - 男主のお話がとても好きです。いい男なんだろうな、と楽しく拝読いたしました。ヒロイン嬢もおかわいらしく、癒やされました。この先の更新も楽しみにお待ち致しております。 (2018年3月28日 11時) (レス) id: afb95e6422 (このIDを非表示/違反報告)
琥珀糖(プロフ) - なほなりさん» コメントありがとうございます、気付くのが遅れて申し訳ございません!そう褒めてもらえるととても嬉しいです!これからよろしくお願いします。 (2018年3月16日 17時) (レス) id: da50392b08 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:琥珀糖 | 作成日時:2018年2月25日 22時