酔っ払い/Yuzuru ページ20
「はーい...って、結弦」
結「ふふ〜、やっほぉA〜」
扉を開けると、ふにゃりとだらしない笑顔を向けてひらひらと私に手を振る幼馴染み。
真っ赤な顔と鼻をつくアルコール臭に、めんどくさいのが来てしまったとため息をついた。
「部屋帰って寝なよ」
結「冷たい〜...僕は世界王者なのにぃ」
足もふらふら、普段から彼をコーティングしている完璧な王者の皮は剥がれている。
とりあえず上げて水飲まして部屋に返そう。
私はとりあえずどうぞと彼を中に入れた。
「はい、水」
グラスに注いだ水を渡すと、彼はぽわぽわとした目で私を見てそれを受け取る。
が、力無い彼の手はグラスを落とし自らに水を掛けた。
結「あ〜」
呑気に水の掛かったジャージを見る結弦に、私はまたため息をつく。
タオルを持ってきて結弦に渡すと、彼はまたふわふわとしている。
「あー、もうっ」
私はタオルを奪い返して、彼のジャージを拭いた。
結弦のサイズは大きいから、私のでは換えが無い。
つまり濡れたまま返さなければいけないのだが、それはそれで罪悪感...
タオルで拭きながら思考を巡らせていると、彼は床に座っている私の肩に腕を絡めた。
驚いて上を見上げると、彼は艶かしい笑みを浮かべて私を見下ろしている。
結「A、いくら幼馴染みでも酔っ払った男を部屋に入れないほうがいいよ?」
先程までの溶けた声は無くて、しっかりとした...いや、少し掠れて普段よりもおとなっぽい男の声。
私がえっと困惑するよりも先に、私の唇になにかが当たって離れていた。
結「はは、その顔面白いね」
...ドS出てるよ、酔っ払い。
私は熱い顔を誤魔化すように、濡れたタオルを結弦の顔面に投げた。
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琥珀糖(プロフ) - ぬさん» リクエストありがとうございます。とても素敵なネタですね!頑張って書きます。これからもよろしくお願いします。 (2018年4月1日 22時) (レス) id: da50392b08 (このIDを非表示/違反報告)
琥珀糖(プロフ) - astroyuzさん» コメントありがとうございます。主の性格には特に気を付けましたので、そう言って貰えると嬉しいです!これからもよろしくお願いします。 (2018年4月1日 22時) (レス) id: da50392b08 (このIDを非表示/違反報告)
ぬ - 昌磨君と幼なじみのスケーターさんでエキシビで昌磨君にプロポーズされる小説お願いします (2018年3月30日 8時) (携帯から) (レス) id: b271d24507 (このIDを非表示/違反報告)
astroyuz(プロフ) - 男主のお話がとても好きです。いい男なんだろうな、と楽しく拝読いたしました。ヒロイン嬢もおかわいらしく、癒やされました。この先の更新も楽しみにお待ち致しております。 (2018年3月28日 11時) (レス) id: afb95e6422 (このIDを非表示/違反報告)
琥珀糖(プロフ) - なほなりさん» コメントありがとうございます、気付くのが遅れて申し訳ございません!そう褒めてもらえるととても嬉しいです!これからよろしくお願いします。 (2018年3月16日 17時) (レス) id: da50392b08 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:琥珀糖 | 作成日時:2018年2月25日 22時