桃の花/Shoma ページ16
宇「そういば、今日ひな祭りなんだ」
朝、テレビを見ながら食パンを齧る昌磨はそう呟いた。
私もちらりとテレビを見て、あぁそういえばと思い出す。
「昔は色々やってたけど、今はなんもしないなぁ...まぁちらし寿司くらいよね」
今日の夕飯はちらし寿司ね、と伝えると肉...と少し残念そうに落ち込んだ昌磨。
その後に、美味しいからいいけどと立ち直る彼はやっぱりマイペースだし。
宇「Aは今日練習無いの?」
「うん、休み」
私はコーヒーを彼の手元に置いて、向かいの椅子に腰掛けた。
私もマグカップを持って少し冷ましてから、1口啜る。
.
ちらし寿司のための材料を買って、酢飯に散らしていく。
鮮やかな飾り付けと、お味噌汁を作っている途中で昌磨が帰ってきた。
「おかえり〜」
開いたリビングの扉に声を掛けると、昌磨は手に何かを持って入ってくる。
宇「ただいま。これ、なんとなく買ったからあげる」
荷物を置いて、カウンター越しにそれを私に渡す。
火を少し弱めて、なんだろうとピントを合わせた。
薄桃の花びら、中央の濃いめの桃色。
「...桜?」
宇「違う、桃の花」
少しムスッとして返す彼に、私はえっと目を見開いた。
火を止めて、そっと受け取る。
「ありがとう...綺麗」
私は思わず口角を上げた。
宇「それ、花言葉があってさ」
彼はそう言うと、少し恥ずかしそうに顔を横に向ける。
宇「"私はあなたのとりこ"」
私は途端に顔が熱くなった。
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琥珀糖(プロフ) - ぬさん» リクエストありがとうございます。とても素敵なネタですね!頑張って書きます。これからもよろしくお願いします。 (2018年4月1日 22時) (レス) id: da50392b08 (このIDを非表示/違反報告)
琥珀糖(プロフ) - astroyuzさん» コメントありがとうございます。主の性格には特に気を付けましたので、そう言って貰えると嬉しいです!これからもよろしくお願いします。 (2018年4月1日 22時) (レス) id: da50392b08 (このIDを非表示/違反報告)
ぬ - 昌磨君と幼なじみのスケーターさんでエキシビで昌磨君にプロポーズされる小説お願いします (2018年3月30日 8時) (携帯から) (レス) id: b271d24507 (このIDを非表示/違反報告)
astroyuz(プロフ) - 男主のお話がとても好きです。いい男なんだろうな、と楽しく拝読いたしました。ヒロイン嬢もおかわいらしく、癒やされました。この先の更新も楽しみにお待ち致しております。 (2018年3月28日 11時) (レス) id: afb95e6422 (このIDを非表示/違反報告)
琥珀糖(プロフ) - なほなりさん» コメントありがとうございます、気付くのが遅れて申し訳ございません!そう褒めてもらえるととても嬉しいです!これからよろしくお願いします。 (2018年3月16日 17時) (レス) id: da50392b08 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:琥珀糖 | 作成日時:2018年2月25日 22時