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言えない/Shoma ページ12

夕日が差し込む教室の、一番後ろの窓側の席。

そこですやすやと眠る幼馴染みの姿を見つけて、やっぱりかと呆れつつも前の席へと座る。
今日は日直で、終わらせるのを待ってると言ってくれた昌磨に甘えたけれど...
「やっぱ、寝たか」
彼は可愛い寝顔のまま、規則的な寝息を立てている。
誰が見ても、リンク上では素晴らしい演技をするとは思えないだろう。
私だってそうだった。あの昌磨が、リンクに?ってね。

「昌磨ー?終わったよ、帰ろー」
呼び掛けてみるけど、彼は起きない。
なんとなく面白くなって、スマホを取りだして寝顔にピントを合わせた。
パシャリ、と軽やかな音と共に彼の目がパチッと開く。
「起きた?」
私が笑いながら聞くと、昌磨はぱちぱちと瞬きを数回してから私の方を向いた。
まだ寝惚けてそうな、とろんとした目。
もう1度笑いそうになった私をよそに、昌磨は口を開いた。

宇「好き」

「...は?」

窓から、さぁっと風が吹き込む。
時間が止まったみたいに、お互いが目を逸らせないまま。
すると、今度はパッチリと目を開いた昌磨。
宇「あれ...A、終わったの?」
なんて、今度はそんなことを言う。
私はまた固まってしまった。
「えぇ...もう、寝惚けるのも大概にしてよ」
私は鞄を持って席を立ち、昌磨を見下ろす。
置いてくよ?なんて意地悪く聞けば、彼は理解が追いついてない顔で荷物を持って席を立つ。

私が先に扉を出て、さっさと歩く。耳が熱い。

宇「ん〜...言えないなぁ」
彼は、夕日を見上げて彼女を追うように走った。

死して尚/Yuzuru [死ネタ]→←ヤキモチ/Yuzuru



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琥珀糖(プロフ) - ぬさん» リクエストありがとうございます。とても素敵なネタですね!頑張って書きます。これからもよろしくお願いします。 (2018年4月1日 22時) (レス) id: da50392b08 (このIDを非表示/違反報告)
琥珀糖(プロフ) - astroyuzさん» コメントありがとうございます。主の性格には特に気を付けましたので、そう言って貰えると嬉しいです!これからもよろしくお願いします。 (2018年4月1日 22時) (レス) id: da50392b08 (このIDを非表示/違反報告)
- 昌磨君と幼なじみのスケーターさんでエキシビで昌磨君にプロポーズされる小説お願いします (2018年3月30日 8時) (携帯から) (レス) id: b271d24507 (このIDを非表示/違反報告)
astroyuz(プロフ) - 男主のお話がとても好きです。いい男なんだろうな、と楽しく拝読いたしました。ヒロイン嬢もおかわいらしく、癒やされました。この先の更新も楽しみにお待ち致しております。 (2018年3月28日 11時) (レス) id: afb95e6422 (このIDを非表示/違反報告)
琥珀糖(プロフ) - なほなりさん» コメントありがとうございます、気付くのが遅れて申し訳ございません!そう褒めてもらえるととても嬉しいです!これからよろしくお願いします。 (2018年3月16日 17時) (レス) id: da50392b08 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:琥珀糖 | 作成日時:2018年2月25日 22時

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