マネージャー 無表情 なぜ。[WEST]

39 ページ39

あなたside




ちゃんと、笑えていただろうか。



笑うなんてことは久しぶりすぎてそんな考えが募る。





『鍵…………鍵………………』





今にでも倒れ込みそうな体に鞭を打ってなんとか車内に入る。




座った瞬間、全身の力が抜けていく。




これは、疲れた時とか、驚いた時とかに使う表現とは全くの別物。




何も、できない。

















最近はあまり出なかった発作。







『っっう……あぁ……っあぁ……うっっ…』





口から勝手に音が出る。

手足が痙攣する。





あと少し、あと少し……！！















　
























数分後。



『はぁ………………はぁ…………』



発作は数分で治まっている筈なのに、何十分も続いているような、そんな感覚。



口から出ていた唾液をティッシュで拭いて、さっき買ったお茶を飲む。




エアコンがかかっている筈の車内で、汗が止まらない。タオルで拭いて、やっと息が整った。

















『やっぱり、だめだったかぁ……』














そろそろ出なくなったんじゃないか、なんて思ってしまったのが間違いだった。



そんなに、私のは甘くない、なんて知ってたのに。













『今日は少し、我慢しなさすぎたかなぁ…』










ほっとして、気が緩んでしまった。





でも、1つ助かったのは、誰にも迷惑をかけずに済んだということ。

体が車まで頑張ってくれて良かった。















もし、もしこの姿をあの7人が見たらどう思うんだろう。







今までと同じようになるのか、それとも私を認めてくれるのか。





気を抜けば、彼らの優しさに甘えそうな自分がいる。





だめだ……絶対にだめ。











せめて、あと3年。







デビュー5周年になる年まで。















































































　
そうすれば、きっと症状も軽くなっている筈だから。

40→←38

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す