１０川上さんと…？ ページ10
「……つまり、彼女にとってあなたは、英雄でもあり、敵でもある...と」
「……そうだろうね」
「...その施設、どうにかならないんですか」
「今まではどうにもならなかった……けれど、今回はどうにかなるかもしれないんだ。実際に、川上さんの他にも、子供たちを保護してくれた方がいてね。他の子たちは、各警察署で保護してるから安心してもらって大丈夫。……上は、今回は運が良いって。これをきっかけに踏み込もうと考えているよ」
「...そうですか」
「あの、...川上さんにお願いがありまして―――」
そういって何やら鞄から封筒を取り出した、警察の御方―名は、
すっと差し出されたそれを開くと、中からは小難しい契約書のようなものが。
「あの、これは……」
「単刀直入に申し上げますと、森川さんを預かっていただけませんでしょうか」
「あの子を、ですか……。他のお子さんたちは皆同じ預かり所にいるんでしょう？」
「そうですが……お恥ずかしい話、彼女をあそこまで連れていける自信がありません。それに、川上さんにとても懐かれているではありませんか！」
「……はあ、」
―――あれは懐かれているといっていいのか、定かではないが...。ちらりと下を向けば、俺の腕のなかですやすやと寝息をたてているこぐまちゃんがいる。
(...なんだろうな、俺って。)
１年半ほど前に拾った拾い者を思い出しては、口許が綻びるのを感じた。
(俺は拾い者に好かれる体質なのかな...)
「伊沢さんにはすでに一筆頂いておりますので、川上さんさえよろしければ……」
「えっ、伊沢さん！？電話で確認してもいいですか」
「はい、構いません」
あの人は一体何をやってるんだ。
と、思いながらも伊沢さんに電話を掛ける。
いつも電話は４コール目に出るのに、今日は早くて。
「伊沢さん、あのっ」
勢いで電話を掛けたまではいいのだが、どこからツッコんでいけばいいのか、口が追いついていない。
《かわかみー、どしたのー？》
間の抜けた彼の声によって、冷静さを取り戻す。
「伊沢さん、書類にサインしたってどういうことですか」
《……えっ、いやダメだった？ てっきりお前、保護したがるかと思ったんだけど》
「保護したがるってどういう風に俺捉えられてんすか。まあ、でも助かりました……。ありがとうございます」
《おう》
「それでは」
電話を切って、古和さんに向き合い、よく読んでから書類にサインをした。
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瑞西（シャラルー☆）(プロフ) - ゆのさん» わわ…っ、ありがとうございます！確かに、主人公ちゃんは可愛らしい（真顔）素敵なパワーをいただけたので、さらに良いものを提供できるよう頑張ります(*´▽｀*) (2019年12月25日 18時) (
レス) id: 705dc09b7e (このIDを非表示/違反報告)
ゆの(プロフ) - 主人公が可愛くて、お話も素敵で、情報の管理もしっかりされていてすごいと思います！お話楽しみに待っているので、作者さんのペースで頑張ってください！応援しています(p｀･ω･´q) (2019年12月25日 9時) (レス) id: 6ede61fc28 (このIDを非表示/違反報告)
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