雪が丘こども病院7 (ページ42)

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おおみそか① ページ42

深澤Side

康二「ことしもびょういんでとしこしかー」

深澤「ごめんな
今年こそはって思ってたんだけど」

夏休みや年末年始は治療の途中でも
ある程度検査の結果がよければ外泊の許可が出る

だからその時期は病棟にいる子どもが減って
いつもより静かになる

康二もせめてこの時期くらいはと
治療を調整してるんだけど
なかなか上手くいかなくて
ここ3年は病院で年越ししてる

もっと言うなら康二が
病院の外で年越ししたのは2回だけ

康二「ううん
ことしはれんいるし、
ふっかさんとうちょくなんでしょ？」

深澤「うん
俺も病院で年越しだよわら」

去年蓮は外泊の許可が出て
同室の子たちもみんな外泊してたから
4人部屋に1人で寂しそうにしてた

康二「ふっかさん、
ことしやりのこしたことある？」

深澤「やり残したこと？
んー、、彼女つくることとか？」

康二「ふーん」

深澤「康二が聞いたんだから
少しは興味持ってよ」

康二「だってきょうみないもん」

深澤「酷いなー
まあ真面目に言うと
康二の病気治せなかったことかな」

康二「ねーきゅうに
まじめなこといわないでよー」

深澤「別にいいでしょ
そういう康二は？
やり残したことあるの？」

康二「んーとなー、、
びょうきなおらんかったことかな？」

辰哉「、そうだよね…」

康二「うそやって！笑
ことしはたんじょうびのあとに
がいしゅつできたし、
おくすりとかべんきょうとか
いっぱいがんばったから
やりのこしたことないで！」

辰哉「康二、」

康二「ぼくなきめてることあんねん！」

辰哉「決めてること？」

康二「てんごくにいるおともだちのぶんも
こうかいがないようにいきるの！」

辰哉「そっか、、」

康二「みんなげんきにしてるかなー？
ふっかさん、てんごくいったら
びょうきとかぜんぶなくなって
たのしくすごせるんやろ？」

深澤「だれからきいたの？」

康二「ゆうま
だてせんせいがいうてたんやって」

ゆうまは4か月前に天国へ旅立った子

康二とは違うけど小児がんで
舘さんが担当医だった

深澤「舘さんが言ったならそうなんじゃない？」

康二「よかった！
てんごくにいるみんながんばってたからね！」

深澤「そうだね」