３８９．慶次との邂逅 ページ10
西方で小十郎と別れ、関東に踏み入ったAは全速力で馬を走らせ、原野を駆けていた。目指すは小田原。
(間に合えばいいのだけれど……政宗さん……)
今頃、父の圧倒的な強さに叩き込まれ、苦戦をしているに違いないと安否するA。そう考えるだけで不安を募らせる。
風が吹く原野を駆けている時、遠方から破損した超刀の傍らに黄の装束を纏った青年が倒れていた。
あれは――
A「慶次さん…！？」
慶次「……A……久しぶり。元気だったか？」
Aは馬を降りて慶次の傍に駆け寄った。
A「今はそんな事を言ってる場合じゃないよ。酷い傷……すぐに手当てをしないと」
慶次「いや、いい」
A「でも」
慶次「ここに来たという事は、独眼竜を追いかけて…秀吉に会いに来たんだろう？」
A「…」
慶次「俺の事は心配しなくていいからさ…Aは小田原に向かって。早く行かないと、間に合わなくなっちゃうよ」
ボロボロながらも笑顔を作ろうとする慶次。Aは暫し戸惑いを見せるが、少し顔を上げて彼の手に触れ、
A「…わかった。慶次さんの分まで会いに行くから、だから…遠くへ行かないで」
慶次「……ああ。約束する」
指切りげんまんの代わりに笑みを浮かべる慶次。Aも微笑し、手を離すと、再び馬に跨り、小田原に向かっていった。
慶次は小田原に向かうAの遠ざかる背中を見て、呟いた。
慶次「…頑張れ、A」
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コマさん - 最初から読みました！とても感動しました｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡ (2017年5月7日 12時) (
レス) id: 29a322c6a9 (このIDを非表示/違反報告)
クイナ - えーと、楽しく読ませてもらってんスけど...。ワンピース入ってますよね。何か全然違和感無くておもろいッスよ (2016年3月28日 11時) (レス) id: 878c05571f (このIDを非表示/違反報告)
舞 - はじめまして、舞です。私も最初っしょから読ませていただきました(^O^)とても素敵で感動しました。本や漫画にしてもおかしくないです。素晴らしい物語でした。ありがとうございました。 (2014年5月9日 22時) (レス) id: 7c57ccdb7c (このIDを非表示/違反報告)
☆ひいらぎ☆(#´^`#)/(プロフ) - 最初っから読ませて頂いたのですか、凄く感動しました！私も結構涙脆いので、途中でボロボロ泣いてましたwとてもよかったです！ (2014年3月9日 4時) (レス) id: fcd858585a (このIDを非表示/違反報告)
花海月ヒリス(プロフ) - 双龍阿修羅@元朱雀さん» 見てくれてありがとうございます！今後出される作品も楽しみに待ってて下さいね(^_^) (2013年11月11日 22時) (レス) id: faf94e31c6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：花海月ヒリス | 作成日時：2013年9月12日 16時
