検索窓
今日:11 hit、昨日:8 hit、合計:16,289 hit

380.身代わり ページ1

彼ら――小十郎と間合いに割り込んできたのは、桜模様の着物を纏った少女――Aだった。
 半兵衛を庇って飛び出したAが彼を横に突き飛ばし、小十郎が放った竜の蒼い衝撃波が彼女の体を貫き、その場にくずおれた。


小十郎「……A?」


 何が起きたのかさっぱりわからなく、小十郎はただ呆然と倒れているAを見つめた。


半兵衛「A……Aッ!」


 半兵衛は、震えて握りしめている凛刀を落とし、Aの元に駆け寄り、彼女の体を抱きかかえ腕を取った。


半兵衛「A!しっかりしてくれ、A!」

A「……良かった、間に合って……半兵衛が無事で……」


 薄っすらと震える瞼を開け、小さく微笑するA。


半兵衛「どうして……なぜ、ここに来たんだ!?」

A「手紙…読んだよ」


 ハッとなる半兵衛。Aは震える瞼で彼に顔を向けた。


A「こんな別れ方、ないよ……。好きなのに…半兵衛の事、ずっと……好きなのに…」

半兵衛「馬鹿だよ、君は…。僕のために、ここまで追いかけてくるなんて…」


 半兵衛は唇を震わせ、Aの頬に手を添える。半兵衛に微笑を向け見つめた後、Aは小十郎に顔を向ける。


A「小十郎さん、ごめんなさい……。せっかく外に出してくれたのに……こんな形になってしまって…」

小十郎「A…もういい。喋るな。傷口が開く…!」


 弱々しい掠れた声を振り絞るAの儚げな姿に、小十郎は悲壮感を滲ませ、制を勧める。だがAは口を継げ、止めようとしなかった。


A「政宗さんにも、悪い事しちゃったな…。『生きて帰る』って約束したのに……一つも、守れなかった……」

小十郎「もうわかったから…死ぬな!A!」


 気息奄々(えんえん)と述べるAの呼吸音がどんどん弱くなっていくのを、小十郎は耐えきれず悲痛の声を上げた。


A「私の分まで…生きて、半兵衛……。みんなが仲良く暮らせる世を……平和な日ノ本を……導いて……」

小・半「Aッ!!」


 Aの手が半兵衛に向かって伸ばされ――途中で力を失いパタリと下に落ちた。彼らの叫びはAには届かなかった。

381.黄泉の国での再会…母と娘→


  • 金 運: ★☆☆☆☆
  • 恋愛運: ★★★☆☆
  • 健康運: ★★★★★
  • 全体運: ★★★☆☆

ラッキーカラー

あずきいろ

おみくじ

おみくじ結果は「末凶」でした!


目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.5/10 (12 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
16人がお気に入り
設定タグ:戦国BASARA , 恋愛、アニメ , 愛恋   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

コマさん - 最初から読みました!とても感動しました。゚(゚´Д`゚)゚。 (2017年5月7日 12時) (レス) id: 29a322c6a9 (このIDを非表示/違反報告)
クイナ - えーと、楽しく読ませてもらってんスけど...。ワンピース入ってますよね。何か全然違和感無くておもろいッスよ (2016年3月28日 11時) (レス) id: 878c05571f (このIDを非表示/違反報告)
- はじめまして、舞です。私も最初っしょから読ませていただきました(^O^)とても素敵で感動しました。本や漫画にしてもおかしくないです。素晴らしい物語でした。ありがとうございました。 (2014年5月9日 22時) (レス) id: 7c57ccdb7c (このIDを非表示/違反報告)
☆ひいらぎ☆(#´^`#)/(プロフ) - 最初っから読ませて頂いたのですか、凄く感動しました!私も結構涙脆いので、途中でボロボロ泣いてましたwとてもよかったです! (2014年3月9日 4時) (レス) id: fcd858585a (このIDを非表示/違反報告)
花海月ヒリス(プロフ) - 双龍阿修羅@元朱雀さん» 見てくれてありがとうございます!今後出される作品も楽しみに待ってて下さいね(^_^) (2013年11月11日 22時) (レス) id: faf94e31c6 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:花海月ヒリス | 作成日時:2013年9月12日 16時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。