380.身代わり ページ1
彼ら――小十郎と間合いに割り込んできたのは、桜模様の着物を纏った少女――Aだった。
半兵衛を庇って飛び出したAが彼を横に突き飛ばし、小十郎が放った竜の蒼い衝撃波が彼女の体を貫き、その場にくずおれた。
小十郎「……A?」
何が起きたのかさっぱりわからなく、小十郎はただ呆然と倒れているAを見つめた。
半兵衛「A……Aッ!」
半兵衛は、震えて握りしめている凛刀を落とし、Aの元に駆け寄り、彼女の体を抱きかかえ腕を取った。
半兵衛「A!しっかりしてくれ、A!」
A「……良かった、間に合って……半兵衛が無事で……」
薄っすらと震える瞼を開け、小さく微笑するA。
半兵衛「どうして……なぜ、ここに来たんだ!?」
A「手紙…読んだよ」
ハッとなる半兵衛。Aは震える瞼で彼に顔を向けた。
A「こんな別れ方、ないよ……。好きなのに…半兵衛の事、ずっと……好きなのに…」
半兵衛「馬鹿だよ、君は…。僕のために、ここまで追いかけてくるなんて…」
半兵衛は唇を震わせ、Aの頬に手を添える。半兵衛に微笑を向け見つめた後、Aは小十郎に顔を向ける。
A「小十郎さん、ごめんなさい……。せっかく外に出してくれたのに……こんな形になってしまって…」
小十郎「A…もういい。喋るな。傷口が開く…!」
弱々しい掠れた声を振り絞るAの儚げな姿に、小十郎は悲壮感を滲ませ、制を勧める。だがAは口を継げ、止めようとしなかった。
A「政宗さんにも、悪い事しちゃったな…。『生きて帰る』って約束したのに……一つも、守れなかった……」
小十郎「もうわかったから…死ぬな!A!」
気息
A「私の分まで…生きて、半兵衛……。みんなが仲良く暮らせる世を……平和な日ノ本を……導いて……」
小・半「Aッ!!」
Aの手が半兵衛に向かって伸ばされ――途中で力を失いパタリと下に落ちた。彼らの叫びはAには届かなかった。
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コマさん - 最初から読みました!とても感動しました。゚(゚´Д`゚)゚。 (2017年5月7日 12時) (レス) id: 29a322c6a9 (このIDを非表示/違反報告)
クイナ - えーと、楽しく読ませてもらってんスけど...。ワンピース入ってますよね。何か全然違和感無くておもろいッスよ (2016年3月28日 11時) (レス) id: 878c05571f (このIDを非表示/違反報告)
舞 - はじめまして、舞です。私も最初っしょから読ませていただきました(^O^)とても素敵で感動しました。本や漫画にしてもおかしくないです。素晴らしい物語でした。ありがとうございました。 (2014年5月9日 22時) (レス) id: 7c57ccdb7c (このIDを非表示/違反報告)
☆ひいらぎ☆(#´^`#)/(プロフ) - 最初っから読ませて頂いたのですか、凄く感動しました!私も結構涙脆いので、途中でボロボロ泣いてましたwとてもよかったです! (2014年3月9日 4時) (レス) id: fcd858585a (このIDを非表示/違反報告)
花海月ヒリス(プロフ) - 双龍阿修羅@元朱雀さん» 見てくれてありがとうございます!今後出される作品も楽しみに待ってて下さいね(^_^) (2013年11月11日 22時) (レス) id: faf94e31c6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:花海月ヒリス | 作成日時:2013年9月12日 16時