君を笑顔にするために。2

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《 佐倉 side 》











コンビニを出ると、
反対側の歩道に灰谷先生がいるのが見えた。


上杉くんって、ルトワックから来たんだよな…
何か知ってるかも、

と走って追いかけ、声をかけた。












灰谷「そうですね、
確かにルトワックにいた上杉海斗くんを辞めさせたのは、黒木先生です。

切り捨てたとか、クビにしたって言い方もできるし、
まあ僕もそう思ってたんですけど…

実際のところは、黒木先生なりの考えや見通しがあってのことだったんでしょうね。

僕の彼女…あぁ、元、彼女もずっとそう言ってました。

海斗くんも、桜花で6年になって成績上がってるってことですし」


佐倉「よくご存知ですね…」


灰谷「親は同じですからね。うちにいる弟の陸斗と。
親御さんを通じて海斗くんの話もたまに耳にします」











確かに、それもそうか。












佐倉「そうなんですね」


灰谷「上杉海斗くんがどうかしたんですか？」


佐倉「いえ、…あ、あの、ちょっと塾生同士でトラブルを起こしまして、
喧嘩なんですけど、成績トップの男の子と、」












一瞬、言うか迷ったけど、
こんな話を振ってしまったのは私だ。












灰谷「そうですか。そういう活発な印象はないですけどね、海斗くん」


佐倉「はい。普段はどちらかというと、大人しい子です。

…すみません、なんか、私…
話しちゃいけないことまで喋っちゃったかもしれません、」


灰谷「いえ、それは僕もです」


佐倉「あ、じゃあ…ありがとうございました！」


灰谷「あの…佐倉先生は、
黒木先生がルトワックをお辞めになった本当の理由を、ご存知ですか？」


佐倉「いえ、」


灰谷「…すみません。また余計な話でしたね。

…あ、上杉海斗くんのことでしたら、
片岡先生に聞いてみたらいかがでしょう。

彼女は、海斗くんとよく話をされてましたから。

失礼します」











上杉くんが片岡先生に懐いていたのは、
ルトワック時代からなんだ…












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