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森「はい、少々お待ちください。
橘先生、お電話です。大内礼央さんのお母様からです」
橘「大内?
はい、橘です。
…えっ、塾を辞めようと思ってる?」
橘先生のその言葉に、
講師室にいた全員が橘先生に注目した。
それは黒木先生も同じで。
黒木先生は電話をスピーカーにした。
橘「それはどういうことでしょうか?」
大内母「Rクラスにいつも自習中勉強もしないで、
周りに迷惑ばかりかける男子がいるそうじゃないですか!
わかってますよね?
勉強する環境じゃないですよねそんな子がいる所!
今日もその子が騒いでたもんですから、うちの子は注意しただけなのに、
橘先生に礼央が悪者にされて怒られたって…
泣きながら電話して来たんです!
これっておかしくないですか!?」
そういえばさっき、
少し騒ぎがあったと言ってたな。
橘「それがお母様、そのことでしたら…
私が自習室に入ったときに大きな声で話をしていたのは…」
大内母「うちの娘が悪いと仰りたいんですか!?」
橘「いえいえいえ!そういうことを言っているのではなくてですね、」
大内母「もういいです!」
電話の切れた音が講師室に響いた。
橘「あっ、大内さん!?
取り付く島もなしか…
いやこれ…どうすっかな…」
黒木「最悪の対応ですね」
橘「え?」
黒木「仮に大内さんにも原因があったとしても、
お客様の気分を害する正論など、百害あって一利なしなのでは?」
そう言う黒木先生に、言い返す橘先生。
橘「いやいや…
現に私が見たのは大声を上げている大内でして…」
黒木「ですから、それを正論だと言ってるんです。
気分を害させた事実の方が問題です。
こんな大切な時期に本当に退塾するようなことになったら、
どう責任を取るおつもりですか。
まぁいいでしょう。
今後の処遇については、覚悟しておいてください」
黒木先生はそう言うと、去って行った。
そんなことを言うのは初めてだったからか、
みんな少し唖然としていた。
橘「えっ…」
木村「…か、片岡先生!
黒木先生になんとか言ってくださいよ!」
「……まぁ、今回のことは仕方ないですね。
なるようにしかなりませんよ」
木村「そんな、」
「じゃ、授業行ってきます」
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理音(プロフ) - ドキドキが止まりません(((;゚Д゚)))ドキドキ展開がもう好きすぎます!!これからも応援してます!! (2022年1月15日 1時) (レス) @page30 id: d1bb6ccd48 (このIDを非表示/違反報告)
紅茶(プロフ) - 寧那さん» うわぁ、嬉しい…ありがとうございます…!! (2021年12月12日 21時) (レス) id: 9cb04252fe (このIDを非表示/違反報告)
紅茶(プロフ) - どんぐりさん» ありがとうございます〜! (2021年12月12日 21時) (レス) id: 9cb04252fe (このIDを非表示/違反報告)
寧那 - 何故、投票が1回しか出来ないんでしょう…!!でも、読むたんびに1番右側の星を押させてもらってます!!応援してます!! (2021年12月12日 15時) (レス) @page30 id: 8653afb737 (このIDを非表示/違反報告)
どんぐり(プロフ) - 初めまして。とても面白くて何回も読み返してます!頑張ってくださいヾ(・ε・`*) (2021年12月10日 11時) (レス) @page23 id: 8a839eaa9e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紅茶 | 作成日時:2021年12月5日 23時