君を笑顔にするために。2

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柴田母「まるみを…ΩクラスからAに戻していただけないでしょうか。

昨日、夏合宿から帰って来まして、
すぐに授業について行けないと泣き出しまして…」










柴田さんのお母様は、
席に着くなりそんなことを言い出した。











黒木「そうですか」


柴田母「あの子の方から私にそんなことを言ってくるのは、
初めてだったんです。

このところ家でも熱心に勉強するようになってて、

合宿先からΩクラスに上がったって連絡があった時は
嬉しそうな声だったんですけど、

それにあの子…二葉女子学院を受けたいって言い出しまして」


黒木「はい」


柴田母「でもまるみはそんな難関の名門校じゃなくていいんです。
あの子にあった、分相応の学校に行ってくれればいいと思ってます」


黒木「そうですか」


柴田母「不登校のあの子が…
こうやってこちらの塾には毎日がやってくれています。

だからあまり無理をさせたくないと思ってます」


黒木「お母様のお気持ちは受け止めました。
まるみさんにとって最善の策を考えましょう」












黒木先生は何も言い返すことはなかった。












柴田母「ありがとうございます…！！」


黒木「ご家庭でのまるみさんの様子が伺えてよかったです。

まるみさんはΩに上がって以来、
クラスでも友達ができて生き生きしている印象でしたので」












黒木先生のその言葉に、
お母様は一瞬動きを止めた。












柴田母「友達？」


黒木「はい」


柴田母「そうなんですか？」


「あ、はい。授業も休み時間もいつもその子と一緒で、
とっても仲良くされてますよ」


柴田母「あの子に…お友達なんて…そうでしたか…」


黒木「環境の変化はいいことばかりではなく、
精神的負担がかさむのも事実です」


柴田母「はい、」


黒木「お母様に弱音を吐いたことも成長の一つ、
そうお考えになってみてはいかがでしょうか。

もう少し様子を見させていただいてもいいですか。
ご安心ください。私たちがしっかりサポートいたしますので」


柴田母「はい…、！お願いいたします…」














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