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「じゃあ…行ってくるね」
ばいばい、と子供に手を振ると、駿貴さんそっくりの眉がふにゃりと下がった。どちらかというとパパっ子だから、私がいなくても泣いたりはしないと思うけど。
「楽しんできな」
ぽん、と頭を軽く叩かれて、私の眉もふにゃりと下がる。久しぶりに付けた、左手薬指の指輪がキラリと光った。
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まあ、予想通りではあるのだけれど、思っていたよりも早く家に戻ってきてしまって。ショッピングをしてランチを食べて、予定では行きたかったカフェでゆっくりしようと思っていたのに。
家にいる2人が心配…いや、なんだか恋しくなってしまったのだ。服を見れば、この服子供に似合いそうだな、とかランチを食べていたら、駿貴さんと一緒に来たら半分こ出来るのに、とか。
私は2人のことが大好きだから。子供に着せる服と、駿貴さんへのお土産のドーナツを買って、私は帰路へ着いた。
「_____ただいま」
ドアの向こうで、彼が真っ赤なカーネーションの花束を持って待っていたというサプライズがあったことは、また別のお話。
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カーネーションの花言葉『母への愛』
最盛期はまだまだ先ですが、四季咲きのカーネーションもあるのでセーフということでご容赦ください。
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作者名:エリッサ | 作成日時:2021年1月7日 19時