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「あ、おかえり」
「ただいま、ちょっといい?」
帰宅し、ただいまと言うのもそこそこに、Aの隣に腰を下ろす。ブルーライトカットの眼鏡を外して、彼女は俺の方へ体を向けた。
「どうしたの」
「証拠、持ってきたんだけどさ」
後ろ手に隠していた、小さな箱を手渡す。ターコイズブルーのリボンをするりと解く。彼女は箱の中身をじっと見つめてから、ゆっくりと顔を上げた。
「…スミレ、だよね」
「お、流石」
彼女が花が好きなのは分かってる。花言葉に詳しいことも。伝わるかどうか心配はあったけど、赤く染まった耳朶に正解を確信した。
「ずっと、愛してる」
恭しく手を差し伸べると、青いスミレのブレスレットをつけたその手が重なった。可愛い可愛い、俺の大事なお嬢さん。
「だいすき、」
きゅ、と手に力がこもるのを強く感じた、そんな日曜日。
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スミレの花言葉『忠誠心』
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復活しました、ようやくの更新です。
お待ちの方もそうでない方も、楽しんでいただければ幸いです。
今後ともよろしくお願いします。
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作者名:エリッサ | 作成日時:2021年1月7日 19時