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「いい肩書に楽な仕事。キャリアアップにもなる。断る理由はないと思うけど」
「だからです。センター長さんのお話では、業務目的で逆指名をいただけたようには思えません」
「目的なんて、末端の人間には大きな問題じゃないよ」
…ということは。
やっぱり、上の人間に何か目的があるんだ。
「そんなことより自分の事情を優先すべきでしょ。
叔父さんの今後のことを考えても、こっちに戻ってきた方が好都合だよね。悪い話じゃないと思いますけど。
この間久しぶりに若先生に会った時に、貴女や貴方の叔父さんのことを心配していたよ」
「……」
あの河川敷で話をした時だ。
明日こそは、あのとき若先生に言えなかったことをきちんと説明すると決めている。
でも、今はまずセンター長さんからだ。
顔を上げると目が合った。
「ふうん…。やっぱり…いい方に転んだ…ってことなんだろうね…」
「…はい？」
「スッキリした顔してる」
「…？」
「こっちの話(笑)」
…どういうこと？
眉を顰めて見上げるとセンター長さんは通りの向こうの社屋を見上げるようにして淡々と言った。
「逆指名の件。仮に業務以外の目的だったとして、それのどこがいけないの？」
「職権濫用じゃないですか！」
「それだけじゃパンチに欠けるなあ。具体的に教えてよ」
「…そちらのテレビ局長さんがうちの局から人事交流に行かれた方で、不審な動きをしているうちの役員とも繋がりがあることはわかってます！」
マサトから聞いていた情報をぶつけると、少しだけセンター長さんの表情が揺れた。
「…なるほどね。あの元カレの総務課長さんが調べたのか。うちのテレビ局長のことを嗅ぎ回ってたもんね」
元カレ…。
私はセンター長さんに同期としか説明していない。
マサトとのことまで知ってるって…。
「でも、それで？うちのテレビ局長が貴女の逆指名に何の目的でどう不当に関わっているかが説明できなければ濫用だなんて言えないよね。
それとも…そこまで何か証拠があって、立証できてるとでも？」
「……。そこまでは…わかりません…」
「は…なーんだ、じゃあただの憶測だな。
うちのテレビ局長が元はそちらの局出身でそちらの役員と知り合いだった…その事実には何の問題もないでしょ。それだけじゃ弱い。話にならないよ」
「……」
わかってる。だから何も動けない。
でも…こういう切り返しをしてくるということは、やっぱり裏があるに違いない。
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kico(プロフ) - もちさん» あんな展開でしたから不安になりますよね＞＜言葉にせずに伝わることもたくさんあるんだけれど言葉にすることで初めて正しく通じることもあって…誤解や思い込みが重なりましたがちゃんと言葉にすることができてよかった^^＊もちさんありがとうございました！ (2019年9月28日 7時) (
レス) id: 890f6f329d (このIDを非表示/違反報告)
もち(プロフ) - この2人はどうなってしまうのだろうか…と時々不安を感じながら、でも、きっと分かり合えると信じて読んでいました。お互い分かっているようで、やっぱり言葉として表現しないと通じないものだなと感じさせられました！ありがとうございます！ (2019年9月28日 4時) (レス) id: c96fed03c3 (このIDを非表示/違反報告)
kico(プロフ) - miさん» こんばんは^^読む専門で問題なしですよ^^＊このような妄想話を読んでくださっていることに感謝ですし、こうしてコメントまで…(嬉涙)ありがとうございます！書きたいことを好き勝手にだらだら書いていますのでmiさんの温かいお言葉が嬉しすぎて小躍りしています(//∇//) (2019年9月28日 2時) (レス) id: 890f6f329d (このIDを非表示/違反報告)
mi(プロフ) - こんばんは。いつも読む専門ですみません。丁寧に物語を進めてくださることで、情景や感情の動きがとてもわかりやすいです。2人が同じ未来を描いていける想いを重ねられることが何より幸せですね。続きのお話も楽しみにしています。無理をされませんように…。 (2019年9月27日 22時) (レス) id: b388220049 (このIDを非表示/違反報告)
kico(プロフ) - 亜衣さん» 2人がこれからどんな未来を手に入れるのか^^＊だらだら好き勝手に独りよがりな妄想を晒しているだけのお恥ずかしい私ですのでとんでもない(苦笑)でも愛だけは籠めまくっていますので、ええ(エッヘン！笑)この先もまた一緒に共有して頂ければ私も幸せです(≧∇≦) (2019年9月27日 10時) (レス) id: 890f6f329d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：kico
| 作成日時：2019年8月25日 6時
