微かに ページ4
.
「和也…？」
どうしたのかな…と頑張って目を覚まして見上げようとすると、今度はその目元に優しいキスがそっと落とされた。
「…？」
「はい。もう、寝なさいよ」
「え？」
「ごめん、ホントは起こすつもりなかったの。
ね、A、いつも言ってっけど、マジでさ、遅いって分かってる時には無理して来なくていんだからさ…」
素っ気ない言葉の裏側に、“朝早くからアナタも仕事があんだから、無理して欲しくないの”という気持ちがあるって分かっているから…
うとうとしながらも、そんなつれなく聞こえるような言葉にも嬉しくなってしまう私がいる。
「うん、わかってる。
私が来たいの。
無理はしてないから、大丈夫…」
「なに即答しちゃってんの…(笑)」
はー…、と半分笑いながらの溜息すら、こうして抱き締められて髪を撫でられて…
その鼻と口元を髪に埋めながら吐かれるなんて、愛おしい…。
「ま、少なくとも、こーして寝ててくれたら、まだいんだけどね…
起きてたら、やっぱさ、オレも男ですからね。
でも、アナタ眠れなくなるとマズイってわかってんだからさ。
…だから、ちゃんと今日は、もー起こさないでおこうって思ったのに…
ったく、なんで起きちゃうかな…」
ぶつぶつと、何か零してる…。
またいっぱいもらった気がするよ…。
今は言葉なんて要らない…
眠たくて…もうよくわかんない…。
「うん…幸せだから…いいの…」
「……」
目を閉じてるから、和也がどんな表情をしているか、わからない…。
でもね、本当だよ。
和也の胸に包みこまれて、こうして一緒に眠れるなんて…
これ以上の幸せはないよ…？
「かず…なり…だいすき…」
愛しくて愛しくて…
勝手に口から言葉が漏れていく…この感覚さえ幸せで…
意識が再び遠のきながら…
「あのさ…
もらうばっかなのはさ…確実にオレの方なんだって…」
そう聞こえた気がして…
だけど、もう意識は眠りに引き込まれる寸前で…
夢かうつつかわからないまま…
微かに…
ほんの微かに…
「オレも…Aが…好きだよ…」
最後にそう聞こえたのは…
もしかしたら、もう夢の中の和也の言葉かもしれないね…
温かい布団に温かい時間…
大好きな愛しい人の温もり…
このまま和也と…
いい夢が見れたらいいな…
最高に幸せな気分で…
私は…そのまま静かに眠りに落ちていった…。
＋＋＋
end.
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1220人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ponzu(プロフ) - kicoさん» わかりました！お返事ありがとうございます！飛ばして続きの話読ませてもらいます！ (2019年6月19日 8時) (
レス) id: 1d6e94b5bf (このIDを非表示/違反報告)
kico(プロフ) - ponzuさん» なお、ご参考までですが『この手のひら〜』を飛ばしても続きのお話は問題なく読んで頂けると思います^^よろしければ♪ (2019年6月18日 21時) (レス) id: 890f6f329d (このIDを非表示/違反報告)
kico(プロフ) - ponzuさん» ponzuさんこんばんは。『この手のひらに在るものは、今…』の件でしたら、申し訳ありませんタイトルにもありますように、現在修正中のためパスを掛けています（わかり易いように先ほど本文にも注意書きを入れました^^）。ご理解のほどよろしくお願いいたします。 (2019年6月18日 21時) (レス) id: 890f6f329d (このIDを非表示/違反報告)
ponzu(プロフ) - こんにちは！この小説の続きを読みたいのでパスワード教えてもらってもいいですか？ (2019年6月18日 17時) (レス) id: 1d6e94b5bf (このIDを非表示/違反報告)
ちー(プロフ) - そうなんですね。ちゃんと見ずにコメントしてしまい、すみませんでした。 (2018年6月17日 18時) (レス) id: 1c2fe94003 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：kico
| 作成日時：2015年2月2日 18時
