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…………。
「いや、違う。
俺はずっと、康二はどこかで生きてるって思ってた。
もちろんラウも。
だから探したよ、俺らがわかる範囲で。
でも探すあてが無さすぎて、康二のこと全然知らないじゃんってショックだった」
「………そうなんやぁ。ありがとうな、探してくれて。生きてるって思ってくれて」
そう言って康二は、ポツリポツリと話をしてくれた。
「俺な、もう、本当に限界やってん。いつ倒れてもおかしくなくて。
けど絶対お疲れ様会だけはやりたくて、最後に思い出作りたくて、お父さんに無理言って行かせてもらった。
やっぱり次の日から体調が一気に悪くなって、入院して、そろそろかなって思ってた。
でも、れんくんとラウにどうしても会いたくって、こんな体じゃ会いにいけんし、どうしよかなって考えたら手紙書こうって。
もうどうせ死ぬんやし俺の気持ち最後に全部伝えようって。
で、手紙と、写真たてと、カメラをお父さんに学校まで持って行ってもらって、先生に部室に置いてくださいって頼んだんよ。
まぁ、色々あったけど、やりたいことまだまだあったけど、れんくんとラウに会えたからもうこれで十分やって思った」
俺は康二に近づき、震えている手を握りしめる。
俯いて話していた康二は俺のほうに顔を向け、ニコッと微笑んだ。
「そしたらな、俺と適合するドナーさんが見つかってん。そして手術を受けて、今こうして生きとる。
退院して、暫く不安定やったけど、家族が支えてくれて、本当に命の大切さを知った。
そしてドナーさんの為にも幸せにならなあかんって思って、、
幸せって何やろうってずっと考えてて、、、
やっぱり写真を撮ってる時が1番幸せで、、。
専門学校に一年遅れて入った。れんくんたちに言ってた専門学校、あれ、嘘やってん。そもそも高3のとき受験してへんし。
いっぱい嘘ついてごめんな。
今は小さな所やけど、写真屋さんで働かせてもらってる。
れんくんとラウにはちゃんと元気になって、立派になって会いたいって思ってて、やっと体調も落ち着いたから会いに行こうって思って。
なんとなく、れんくんが今日あそこにおると思ったんよ。
で、行ってみたられんくんがおった。
すごない?」
康二は溜めていた涙を流し、へへっと笑った。
「………他にまだ聞きたいことある?」
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こじじ(プロフ) - めっちゃ泣きました( ; ; )素敵な小説ありがとうございます( ; ; ) (2021年1月14日 0時) (レス) id: 2e7657af2c (このIDを非表示/違反報告)
small forest(プロフ) - たあちんさん» コメントありがとうございます!!なるほど!康二くんside…全く頭に無かったのですが書きたいと思いました!!ありがとうございます^ ^ (2020年7月23日 23時) (レス) id: db71a86834 (このIDを非表示/違反報告)
たあちん(プロフ) - 初めまして!連載お疲れ様でした。良ければ続きが気になります(^^)んでもって、アナザーストーリーでめめと別れた康二くんの時間が気になるので書いていただけると嬉しいです(^^) (2020年7月23日 20時) (レス) id: 3d2a3afc54 (このIDを非表示/違反報告)
small forest(プロフ) - 伊藤みみあさん» コメントありがとうございます!!書いてて苦しくなりましたが、、やっと再会できました^ ^続き書こうかなと思っています!少々お待ちください! (2020年7月23日 0時) (レス) id: db71a86834 (このIDを非表示/違反報告)
small forest(プロフ) - らいと。さん» コメントありがとうございます!そう言っていただいけて本当に嬉しいです、、、!続き、書こうかなと前向きに考えています!待っててください^ ^ (2020年7月23日 0時) (レス) id: db71a86834 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:small forest | 作成日時:2020年7月16日 13時