おチビな鴎ガール 2

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井口side

大河が目を離した隙に、ファイターズの選手と遊び足りなかった、Aは、1人でウロウロさまよって発作を起こし、救急車で運ばれた。

目を離した隙に、どこかへ行っちゃうなんて、子供はよくあること、でも、Aにとっては、大冒険。今まで、歩いたことのない場所を歩いたんだもんな。病院についていったスタッフから連絡があり、大事には至らなかったが、念のため、2〜3日入院して、病院で様子を見るということだった。


井口『みんな、今連絡が入ったぞ。とりあえず、病院に着いて、暫くして発作も治まって、大事には至らなかったそうだ。2〜3日は様子を見るために入院するけど、すぐ元気になるだろうって。』

荻野『ファイターズベンチにも知らせてきます。』


〜ファイターズベンチ〜

荻野『宮〜。』

宮西『荻、どうやった？』

荻野『うん、お陰で、大事には至らなかったよ。2〜3日は入院になっちゃったけどね』

宮西『そうか、よかった。』

雄也『荻野さん、Aは、大丈夫ですか？』

宮西『あぁ、今、その連絡に来てくれたとこや』

荻野『じゃ、あとはみんなに伝えて。本当、ありがとうな』

宮西『あぁ、お大事にな』

雄也『心配でしょうね。みんな』

宮西『…だな。様子見に行ってみるか？』

雄也『そうですね。僕達の後を追ってきた責任…もあるんで。』

その日の試合は、なんとか無事に終わった。

大河の心配は見ていられないほどで、大河を連れて、大地と3人で病院に向かった。


大河『A。』

頬に涙の跡をつけ、お気に入りのタオルをギュッと握り締めて寝ていた。

大河『我慢ばっかりさせて…。こんな生活、Aにとっては、辛いんじゃ…。』

大地『大河。1人で背負い込むな。もっと、頼れ。Aは、みんなでそだてるって決めただろ。』

荻野『そうだよ。大河。』

A『に…に？？』

大河『A。？？』

A『ににーーーー。』

大河『A。苦しくない？』

A『…ん。だいじょぶ』

大地『A。大地だよ。』

A『だ…いち。ごめんしゃい』

大地『ん？どして、あやまるの？』

A『…。あんよ、いっぱいした』

大地『そっか。疲れちゃったね。今日は、ゆっくりねんねして、また大地が抱っこでファイターズのベンチつれてくからね』

A『…(ニコッ。)ありあと。だいち』

嬉しそうに微笑んで、また眠りについた。

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