ステップブラザーズ3

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樹side





剛典君を怒らせちゃった…



だって、ずっとスマホいじってて

ずっと僕じゃない子との

写真とか動画見てて

優しい顔して、楽しそうにしてるから…






気づいた時には、スマホを投げてて

僕を見て欲しくて、抱き着いたのに

無理やり離されて…





思ってないのに嫌いって言っちゃったら


剛典君も嫌いって…




怒った顔してた…




そんな顔させたいわけじゃない…

画面の中の子みたい笑って欲しかっただけ




だけど、どうしたら笑ってもらえるのか


僕にはわからないから…





剛典君の事、怖くなっちゃった…

嫌われたらどうしよう。

本当に嫌いって思ってたらどうしよう…



僕には剛典君しかいないのに

剛典君は、そうじゃない



仕事に行けば沢山の人がいて

その人達は皆、剛典君を笑顔にできる…



いつも怒らせたり迷惑かけるのは、僕…







剛典君と目を合わせて

また嫌いって言われたら嫌で…




逃げる様に家を出てきた





学校にも行きたくなくて…

壱馬君に会いたかったけど

お家知らないし…




僕が唯一知ってる家に向かった







ﾋﾟｰﾝﾎﾟｰﾝ…ﾋﾟｰﾝﾎﾟｰﾝ




誰も居なくて…

他に行くとこないから

エントランスで小さくなって待ってた








？「樹？」






「…」






？「どうした？」





？「1人で来たのか？」






「ｺｸｯ」






？「それは凄いな。偉いな、樹」





「ぇ…？」





？「少し遠かっただろ？おいで」






荷物を全部持ってくれて

お家に入れてくれた





？「オレンジジュースで良い？」






「うん」





？「はいどーぞ」





「ありがとう…」




？「ふふっ笑…学校馴染めてないんだって？」





「…」






？「まぁ無理する事ないよ

壱馬も気分で行ってるみたいだし」






「お家…帰りたくない」





？「岩ちゃんと喧嘩した？」





「嫌われちゃった」





？「そっか。嫌いなんて事

ないとは思うけど…

樹が居たいならここに居て良いよ」







「ぅん…」






？「樹〜ここにいる時より

だいぶ大きくなったな？

少し抱っこさせてよ」





「ん」






久々抱っこしてもらって

剛典君とは違う温かさで

ずっとここに居ても良いなって思った







昨日の夜、あんまり寝れなくて

気づいたら腕の中で寝ちゃってみたい









？「樹〜お仕事行くけど行く？」







「ん…うん」






車に乗って向かった所は事務所だった

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