unusual (ページ35)

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メイドカフェに来てくれるって言ってたのに

“高橋さんの英語弁論楽しみにしてる”って言ってたのに

叶えてくれない約束だけを残して
先生は何も言わずに消えてしまった

…私のせいなのかな、私があんなこと言ったから

そんな思いも抱えながら帰る準備をしていると

トントンって、誰かから優しく肩を叩かれる

『ちょっと時間ある？』

「私、ですか？」

『うん、たまには俺とも話そうよ』

きっと先生の話だ、

そう察した私は高地先生の目を見てゆっくり頷いた

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誰もいなくなった教室にそーっと高地先生が入ってくる

『おまたせ、ごめんなー急に』

「びっくりしました、ほんと急だったから」

『うわ、高橋俺にも生意気な態度とるか？』

アヒャヒャと独特な笑い方を響かせる高地先生

俺に“も”だなんて、
そんな些細な言葉遣いにすら先生の片鱗を探してしまう

『ていうか凄かったじゃん英語弁論』

「…えー先生聞いてたんですか？」

『なんだよそれ、これでも俺お前の担任だぞ？』

「嘘です、高地先生に聞いてもらえて嬉しいです」

なかなか本題に入らないもどかしさにそわそわしてしまう

高地先生なりの気遣いだとは思うし、
私も急に本題に入られても心の準備ができていないから
有難いと言えば有難いのだけど

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