unusual (ページ29)

今日:16 hit、昨日:20 hit、合計:129,843 hit

29 ページ29

・

「せーんせ！！」

『…最近やけに元気なのね』

「そりゃあもうもちろん！
先生と合法的に2人で過ごせるんだもん！」

いつものように呆れた顔を見せて

こっちおいでって机の上を綺麗にしてくれる

さっきも言った通りこれはあくまで合法的な時間だから
いつもの放課後みたいに空き教室、とかではなくて

「先生いつもここにいるの？」

『1人で集中したい時とかはね』

よくわからない準備室みたいな部屋なんだよね

たくさんラックや本棚があって、
その中にはたくさんのファイルとか紙が乱雑に重ねられていて

無機質、とは違う意味で生活感のない空間

先生がここで過ごすことが多いってのもなんとなく納得できる

『なんとなくどういう内容にしたいとかは決められた？』

「んー、先生についてがいいな」

『ふざけないの』

「ふざけてないよ、好きな人についてだよ？」

『…それは俺はサポートできないよ』

「あ…！」

辺りを見渡している時に視界に入った言葉

乱雑に置かれたファイルとは対照的に
綺麗に並べられた数冊の本

“The art of loving”

…愛する技術？どういう意味なんだろう

その本を指させば、
先生はあ〜と言いながらその本を手に取って持ってきてくれた

・