unusual (ページ20)

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「…そうなの？気のせいじゃない？」

『気づいてるくせに』

凛の表情が少し怒っているように見えた

なんで？凛が不機嫌になるポイントあった？

凛の様子を横目で伺っていると、
大きめの石を蹴飛ばした凛が口を開く

『今のA超可愛くない』

「え？」

『ウジウジしててまーったく可愛くない』

「……」

『気になるなら聞けばいいのに。
ていうか夏休み言ってたじゃん問い詰めるって』

…そんなことも言ってたっけ、

あの時はただひたすらに目の前の現実を受け入れたくなくて
妹だとかなんだとか言って自分を落ち着かせていたんだ

でも時間が経つにつれて、

あの先生の横顔と隣を歩く女性の存在が現実味を帯びていって

私の知らない先生が存在することが悲しくて怖くなった

『落ち込むならちゃんと話してからにしなよ』

「…でも」

『じゃあ私が放課後にでも松村先生に聞く、
この間の女性とどんな関係なんですか？って』

「やだ…、それは、やだ」

例えどんなことであったとしても
先生についていちばん知っているのは私がいい

私以外の生徒が先生と2人きりで話してたり、
私の知らない秘密を共有しているなんて…やだ

『私明日は塾あるから一緒に帰れないよ』

「凛…」

そんな醜い私の独占欲を知っている凛の方が1枚上手だった

いとも簡単に凛の策略にのせられて…

だけど先生の元に行く勇気は貰えたから、やっぱり凛ってすごい

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