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少し距離をつめるだけで鼻先を刺激する
爽やかな先生の香水の香り
甘すぎなくて、主張しすぎない香りを纏っているところが
また先生らしくてキュンとなる
『オープンキャンパス、どっか目星立ててるの?』
「へ?」
『あなた高校2年生でしょ?行かないと』
さっき夏休みのこと聞いてきた理由はこれか…って
どうせそんなことだとはわかってたけど
なんか…嫌じゃんね
わかりやすく拗ねた態度を先生に見せる
『来年困るのは高橋さんよ』
そんな私の抵抗も虚しく涼しい顔でそんな言葉を続ける
落ちてきた眼鏡をクイってあげる姿は…やっぱりかっこいい
「先生はいつ先生になるって決めたの?」
『え〜?いつだろうな〜、……半年前とか』
「え?どういうこと?」
『元々なるつもりなかったのよ。
進学した大学で教員免許も取れるっていうから取っただけで。』
「これが初めてってこと?」
先生いわく、私にはよくわかんないけど、
去年の夏に受けた採用試験のタイミングと色々が重なって
伊藤先生の代打、
臨時講師として働くだけのつもりだったらしくて
「なんで続けよう、って思ったの?」
純粋な疑問。
私からしたら続けようって思ってくれて
有難い以外の何物でもないんだけど
だけど先生はどこか居心地悪そうに、
鼻をポリポリ掻きながら気まずそうに私を見つめるだけ
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作者名:ダイア | 作成日時:2022年11月21日 23時