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『あれ、A紅茶嫌い克服したの?』
「…凛に買ってきた」
『へ…?あ、有難う…』
半ば強引に紅茶を凛に押し付けて自分の席に戻る
……結局自分で飲まないくせに
先生の前では強がって、大人ぶって
それが先生に伝わるわけもないのに
『ねえAこの紅茶私好きなやつ!』
私を追いかけて歩いてきた凛が嬉しそうに笑う
凛は私が何も言わなくても気づいて察してくれるから
「やっぱり私って天才?」
『天才なのはAじゃないね?』
ああやっぱり。
なんで紅茶を買ったのかなんて凛にはお見通しだ
『Aさ、あれからさらに先生の話しなくなったじゃん』
「特になんもないからじゃん?(笑)」
『でも放課後通ってるんでしょ?』
「なーんもないけどね?」
『Aが幸せ感じてるならいいかなって思えるようになったよ』
確かに幸せ。
放課後の先生と2人きりの時間
授業中に不意に目が合う瞬間
全部全部私にとっては特別で幸せなもので
「ねえ凛、私片思いしてるだけだよね?」
『なにそれ!当たり前じゃん、Aはそこらじゅうで皆がやってる普通の片思いしてるだけだよ』
校内を仲良さそうに歩くカップルを見て、
ふと我に返るときがあった
私の恋、報われるのかなって
私の恋、なんかおかしいんじゃないかって
だから凛の言葉に救われた
先生を好きなことは普通のことなんだって思えること
それがまた幸せだった
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作者名:ダイア | 作成日時:2022年11月21日 23時