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「今年も先生の英語受けられるの嬉しい」
『そんな言葉くれるの高橋さんだけよ』
先生が購買の自販機に向かうのを見計らって、
私も自然を装って財布を持って自販機に駆け寄る
あくまでも偶然を装って、
先生に声を掛けてこんな話をすれば嬉しそうな顔を見せてくれる
少し照れたようで…ワンコみたいで可愛いの
「欲を言えば先生が担任になって欲しかったけどね?」
『いいじゃん高地先生。優しいって評判だよ』
「ふーん、そうなんだ」
『…その反応高地先生泣くぞ』
確かに高地先生は優しい。笑顔もキラキラしているし。
だけどそういうことじゃなくて
高地先生が嫌とかじゃなくて、先生がいいってだけの話
まあきっと先生には意味が伝わってないんだろうなぁ
「先生紅茶好きなんだ」
『うん、高橋さん好きじゃない?』
先生の手元にある紅茶が入ったペットボトル
子ども扱いされてるようで悔しくて私も同じのを買った
「ううん、好き」
…本当は嫌い、好きなんかじゃない
紅茶独特の匂いとか風味が得意ではなくて。
だけど先生に追いつきたくてほんの少し背伸びをした
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作者名:ダイア | 作成日時:2022年11月21日 23時