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『はぁ〜!楽しい〜』
制服を着て会いに来てくれた森本くんだけど
真昼間からファミレスに行ったり、
ゲームセンターに行ったり、
何の迷いのないプランに、
もしかして私がどうなっているかわからないから
色んなパターンを想定してくれていたのかな、って思ったりもして
今日一日、隣でたくさんの表情を見せてくれた彼を見上げる
「…母親にさ、思ってたこと全部ぶつけたの」
突然の切り出しにもうろたえることなく
うん、って相槌を打ってくれる
お互い、少しずつ足取りがゆっくりになっていくのを感じながら
朝あったこと、話したことを全部伝えた
“ここに住み続ける”
そう言ったし、その気持ちは変わることはないけど
所詮、私は未成年の子ども
そんなのが簡単に許されるほど甘くないということ
そして頭から離れない母親の表情
あんな顔を見せられたら、自分が思っていたことも感じていたことも
全て悪で母親を傷つけてしまったかのような感覚に襲われる
あとは…………
こんなことを言っておきながら、
またあの日の置いて行かれた日のことを思い出してしまいそうということ
出ていけと言いながらも、
いざ母親が出ていったとしたら感覚的にはあの人同じものが残る
こんなごちゃごちゃで一貫性のない私の気持ちに
『Aは優しい子だもんね』
って、森本くんはそう答えた
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作者名:ダイア | 作成日時:2023年12月3日 18時