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フロアにいると思っていた叔母の姿もなく、
部屋を出てひとり、大きく息を吐く
自分が思っていたことは全てぶつけた
だけど、…あんな表情を見せられたらあんな人だとしてもモヤモヤが残る
自分があの人にされたことに比べたら大したこと言ったわけでもないはずなのに
学校行く気がなくなってどこで時間を潰そうか、
そんなことを考えながらエスカレーターから降りれば
さっき別れたはずの森本くんの姿が
「なんで、」
『やっぱ駆け落ちしようかな〜って思って!』
ふざけた様子でニコニコしていたのも束の間、
足早に歩いてきたかと思えばその大きな体に包み込まれる
『…もう会えなかったらどうしようって』
“だから今会えて本当に嬉しい”
耳元で聞こえてくる声はダイレクトに心に届く
森本くんにたくさん迷惑と心配かけすぎているなって、そう思うけど
…目の前で私を見つめてくれる
彼の優しい瞳を見ていると、ぜんぶ、委ねてもいいのかなって思えてくる
「ねえ森本くん」
『ん?』
「今日学校サボりたい、一緒に」
『いいね、乗った!』
さっきまでどんなことがあったのかも、
急にこんなことを言いだす理由も、
何も聞いてこないで
私から言い出すのを待っている森本くんの優しさに少し甘えることにした
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作者名:ダイア | 作成日時:2023年12月3日 18時