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この扉を開けた先、どんな光景が待っているのか

どんな言葉を投げかけられるのか、わかりきっていたからなかなか踏み出せない





「…え、叔母さん入らないの」


『タイマンで公平に喧嘩してきなさい?』



私の元から一歩、二歩、と離れていく様子に妙に寂しさを覚える


…簡単に寂しさを感情として持てるようになったのもぜんぶ、








勇気を出して扉を開くと、
この狭い部屋の中を走るドタドタとした音が聞こえてくる





『良かった…、Aまで、Aまでいなくなったら、』



…やっぱり結局そうなんだ、

それを実感すれば自分の口は勝手に動き出した







「もう…そういうのやめてよ」


『え…?』


「自分の都合で捨てて、自分の都合でまた縋ってきて、
……もう振り回されるのは散々」


『すっ、捨てるってそんな言い方!』


「私は、あの頃の私は、…ああ私は母親に捨てられたんだってずっとそう思ってた」




血のつながった娘より、赤の他人を優先して

時間を忘れていただけなのか、それとも最初から決めていたことなのか



どっちかわからないし…別にどっちでもいいけど



結局そのあとずっと引き取りに来なかった時点で
母親にとっての私の存在はそういうものだった、ということ


その事実が一番の証拠













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設定タグ:森本慎太郎 , 田中樹 , SixTONES   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:ダイア | 作成日時:2023年12月3日 18時

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