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『A好きになってからも俺も俺らしくないな〜ってのめっちゃ多いよ』
「……」
『こんな女々しかったっけ?って思うことばっか!』
「……」
『でもね〜、キモいこと言うとそんな今の自分も悪くねえな〜って思ってる』
私の目をじっと捉えたまま、キラキラした笑顔で言葉を続ける
『すっっごいAが好きなんだなって思えるからね〜!』
「…森本くん」
『こんなこと言ったら、またAが傷ついちゃうかもしんないけどさ』
「うん…」
『俺は絶対、一生、何が何でも!Aの傍にいるつもり!』
…本当にあり得ない、
こんなに大嫌いな言葉に簡単に心動かされるなんて
大嫌いな言葉でも大好きな人が伝えてくれるだけでこんなに苦しくなるなんて
本当に意味が分からない
こんなに森本くんのことが大好きになっているなんて
「…信じてみたい、かも」
『…へ』
「森本くんのことは、信じたい、って思う」
ポカンと開いたままの口
だけど表情がみるみるうちに満面の笑みに変わって思い切り抱きしめられる
「…ねえ人来るって、」
『来てもいいじゃん、むしろ来てほしいくらいだけど』
「…もう」
だけど今は私はクラスの店番の時間
駄々をこねる森本くんをなだめて一緒に教室まで戻る
『ごめん長引いた!』
少しも悪びれてなさそうな森本くんの謝罪とともに厨房に入れば、
あと少しで昼前ということもあってバタつき始める頃だった
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作者名:ダイア | 作成日時:2023年12月3日 18時