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転校の手続きはよくわからないと言い、
週明けに叔母が来て一緒に学校に行くことになった
それまではまた家に閉じ込められたままの生活
もはや私に依存しかけている母親との空間は息が詰まりそうだった
眠れない夜が続いたある晩
無性に海に行きたくなった
簡単な服に着替えるだけ、メイクも何もしないで家を飛び出す
走る必要もないのにわざわざ走って
どんどん海が近づくほどに涙が溢れてきて、もうわけがわからなかった
砂浜につまづいてしゃがみこめば周りなんて気にせずに泣き叫んで
感情の収めどころがわからず、
砂を握っては投げて、を繰り返して
まるで小さな子どものように泣いた
海に背を向ければ
あの夜の2人がいるように見えて、涙が留まることはなかった
「…なにしてんだろ」
時間を確認しようにもスマホすら家に置いてきていた
家に戻りたくもない
横になって広い夜空と優しいさざ波を聞いていれば自然と瞼は重くなる
こんな夜に、こんなところで1人
そんなこともうどうでもよくてそのまま意識を手放した
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作者名:ダイア | 作成日時:2023年12月3日 18時