71 ページ21
・
母親の言い付けを守るように終礼が終わると同時に
足早に学校を後にする
あんな母親ヅラする人のことを母親って言うことも
私より男を優先して私を捨てたあの人の言うことを聞くのも
全部全部悔しくてたまらないけど気づかされた
『今までの学費も、生活費だって、全部お母さんが支払っているんだからね?』
学校に来れなかった期間、
2人でいるのにひとりでいる気がする…そんな孤独を感じてしまっていた時
限界がきて口に出してしまっていた言葉
「…もうこれ以上私の人生の邪魔しないで。
あんたがいなくても生きていけるから。」
そんな私に怒るわけでもなく泣くわけでもなく
淡々と、静かにそう言い放った母親
あの頃の、雨の日のあの孤独から解き放たれていたものが
再び呪縛になって私とこの人を結び付けたんだって
…だからもう私は、
『っちょ、待ってよ』
振り返らなくてもわかる
いつの間にか大好きになっていたこの声と手の温もり
ゆっくり振り向けば鞄も何も持っていなくて
靴だって踵を潰したままの状態の森本くん
「…あれ、今日部活は?」
『ある…けど、それよりAのことが気になって、』
「安心して、森本くん」
『え?』
「…上手くやっていけそう、だから」
『え、Aちょっと、』
あれ以来得意になっていた作った笑顔を張り付けて
森本くんに背を向けてまた歩き出す
…こんな自分の強がりが
森本くんに、バレませんように
・
935人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「SixTones」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ダイア | 作成日時:2023年12月3日 18時