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「…帰りたくないの」
『なにがあったか言える?』
身体を離して顔を覗きこむ森本くん
こんなことで泣いてる自分の顔を見られたくなくて
もう一度彼の胸元に顔を押し付ける
そんな私の気持ちを理解してくれた森本くんは
さっきよりも優しく背中に腕をまわしてくれた
「…昨日、家に来て、…また、一緒に暮らそう、とか言い出して」
昨日、あの人から言われた時は、あの人の前では
必死に強がって冷静なふりしていられたのに
森本くんを目の前にするとそうもいかない
それが森本くんのもつ力なのか、改めて言葉にしたことに対する辛さなのかわかんないけど
『我慢しないで、俺の前では』
涙が止まる気配がない
「…逃げ出したい」
『…うん』
「…ひとりが、こわい」
…怖くないってずっと思っていた
ひとりでいたってそれが普通だし、人間は皆所詮ひとりだからって
だけどそれはずっと自分の思い込みだった
あの日からずっとそう思い込むことで自分を保っていた
…森本くんに出会ってから、
誰かと一緒にいることの安心感、誰かが近くにいてくれることの温かさ
全部を改めて実感することばかりで
「…森本くん、?」
『ん?』
「もう、ひとりになりたくない…ひとりにしないで」
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作者名:ダイア | 作成日時:2023年12月3日 18時