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有難いことに午前中いっぱいは店番
しかも、料理がある程度できるってことで接客は免れた
一人で暮らしててよかった、と思った数少ない瞬間だった
“いらっしゃいませ〜!”
徐々に賑やかになっていく教室
自分に自信のある子というのか目立ちたがりの子というべきかわからないけど
そんな人たちは自分の可愛い、かっこいいコスプレを見せるために
接客係をしたがる
少し時間が経つと、耳馴染みのある声とともに耳に響く甲高い女子の声が聞こえてきた
『ねえやっぱそうじゃん〜(笑)どうせ慎太郎のクラスだと思ったぁ!』
『そりゃ自分のクラスおススメするに決まってんじゃん!』
『じゃあ絶対私のクラスにも来てよね、お化け屋敷!』
『俺マジそういう系余裕よ?』
『カップル特典あるからそれ使いたいの!』
“カップル”その言葉だけがやけに大きく耳に届いた
きっとその女の子は森本くんに好意を抱いているんだろう
ここから顔は見えないけど、
きっと私みたいに冷めた人間なんかじゃなくて、明るくて可愛いんだろうな
それに森本くんはきっと今私がこの空間にいることは忘れているはず
誰とでも仲良くできる彼ならきっとそんなノリにも簡単に乗ってみせて、そして、
『あーそれは無理、そういうんなら樹とかでいいじゃん?』
『…え〜だって樹ビビりだもん(笑)』
『残念だけどこいつ彼女持ちだからノリでもNGなんすよ』
『う、うわ〜、樹も慎太郎も急にノリ悪(笑)』
クラスメイトから注文を受けて、止まっていた手を再び動かし始める
するとさっきよりも近くで森本くんの声が聞こえてきた
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作者名:ダイア | 作成日時:2023年12月3日 18時