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少し沈黙のあと咄嗟にお弁当を彼に両手で差し出すと唖然としていた。
『 …ど、どうぞ… 』
『 …あぁ、さんきゅ。 』
びっくりしたのか少し小さめになった声とともに
卵焼きが中身から一つ抜き取られた。
『 ん、上手い。 』
口をもぐもぐさせながら微笑んで美味しいと言ってくれた。
『 なあ、俺にも作ってきてや 』
『 え…っ、 』
『 …あかんかな…？ 』
私の顔を覗き込み頭の上にポンと手を置き聞いてくる。
『 …わかりました 』
突然の質問に戸惑った為、つい敬語になった。
だけど彼はそんなの気にせずよっしゃ、と喜んでくれた
その時一瞬に見えた彼が笑った顔を見て
胸が少し痛くなってきゅんと、高鳴った。
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作者名：永瀬れみ
| 作成日時：2017年10月11日 1時
