貴方と私のアバンチュール【新・信長公記】

第四十六話 ページ49

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何だか話し声が聞こえてくる。
でも遠くて、よく聞こえなくて……

『っ！！』
バッと起き上がると、こちらを見つめるみやびちゃんと明智くんと目が合った。

「Aさん、もう大丈夫ですか？」
『あ……私、寝てた…んだよね、恥ずかしい……』
「でも実際凄く眠そうでしたし、疲れが取れたなら良かったです」
いやあ、寝起きにこんなこと言われたら惚れちゃうよ。まあもうきっと彼女には惚れ込んでいるのだろうけど。

『ていうか私、記憶の限りでは椅子で寝てた気がするんだけど……』
「ああ、それなら信長くんが運んでくれました」
『えっ、え！？』
私はもう一つのソファに寝転がっていた織田くんを見ると、彼は返事代わりに片手を上げた。
うわあ〜、絶対重かったよね…最近太ってきてる気がしたもん……う、タイミング最悪…………

『ってごめん、話遮っちゃってた？続けてどうぞ』
そうみやびちゃんに促すと、彼女はいつの間にか用意されていたホワイトボードに書かれている時刻表をボールペンで指した。

「今回の旗印戦の制限時間は24時間。そのうち朝の8時から夕方5時までは学校にいなくてはいけないルールです。
恐らく家康くんは、明智くんの下校のタイミングを狙って来るのでは？」
『確かに！そこが一番危ないよね…明智くん、そこはどうするの？』
途中参戦ながらも必死に状況を理解して彼にそう尋ねる。

「僕は今夜、ここに泊まろうと思ってます」
「それは危険ですわ！家康くんが夜中に来ないとも限りませんし！」
『そうだよ！良ければ私の家泊まる！？』
「そっ、そんなことしなくていいよ…！！！それに、家康くんの行動は分かります」
私の提案をあっけなく否定され、悲しくて何も喋れずにいると、彼はポケットからスマホを取り出してみやびちゃんに見せた。
私も見ようと慌てて彼らの近くに寄る。

「反家康同盟のメンバーが家康くんの現在地を随時教えてくれます」
そこには色んな人達から徳川くんの位置情報を知らせるメールが届いていた。
私の見た限りではそこの画面に知り合いは誰一人いなくて、明智くんは本当に頑張って沢山の人に協力を頼んだんだな、と感動した。

「だから、僕のことは気にせずに」
「そうですか…」
みやびちゃんは渋々納得したようだったが、私はそれでも不安が消えず明智くんを見つめていると、背後で織田くんがいきなり起き上がった。
何事かと視線を向けると、織田くんも同じように首だけをこちらに動かして、こちらと目を合わせた。

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