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第四十三話 ページ46





『織田くん』
「おお、Aか」
先程貰った干し柿が余程嬉しいのか、いつもより大分緩んだ顔で隣に並んだ私を見る。

『随分とご満悦だね』
「ああ、本多から干し柿を貰ったからな。Aも食べるか?」
『え!?いや、えーと……今は良い、かな?』
「そうか…」
少しだけ悲しそうな顔をする織田くんに申し訳なくなる。
ごめん……でもそれは織田くんの為を思って本多くんがあげたものだし、私が食べる訳にはいかないんだ…!!
そんなことを思っているといつの間にか入り口の方にいた織田くんが私を呼んでいた。行動はや。

「Aも来い」
『どこに行くの?』
「図書室だ」
彼の口からは出ないような行き先に首を傾げながらも、私は織田くんについて行くことにした。




『な、何で図書室?』
向かっている途中、耐えきれなくなった私がそう聞くと、本人は何でそんなこと聞くんだ、と言うような顔をした。

「ただの気分だ」
その言葉に更に眉を顰める私。だって、織田くんみたいな人がただの気分で図書室に行くだろうか?私の中での答えは勿論NOだ。

扉を開けて入っていく織田くんに続いて初めて図書室に立ち入る。それと同時に、本屋さんに行った時のような本の匂いが私の鼻を突いた。んー…この匂い好きかも。
私が大きく息を吸っていると、前にいる織田くんはある物を見つけて一目散に歩いて行った。私もそれに着いていく。

『織田くんって地球儀好きなの?』
「まあ…そういったところだな…」
心を奪われたように地球儀を見つめる織田くん。私の声も半分程は聞こえてないみたい。
私もまん丸いそれに顔を近付けてみるが、対して魅力は感じられなかった。
やっぱり、織田くんってよく分からないな。それに地球儀に夢中になりすぎじゃない…?
私は夢中になっている織田くんを尻目に、近くの本棚から気になったタイトルの本を取り出して読むことにした。
パッと見明智くんがいるようには見えないし、徳川くんもここには来ないでしょ!

さっきは織田くんに対してああ言ったが、私も一度読み始めると面白くて、誰かが図書室の扉を開けたことにも気付けない程に夢中になっていた。

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moka(プロフ) - 前田利家さん» コメントありがとうございます🥰💗面白いと言って下さってとてもやる気が出ますし、何より嬉しいです😭✨前田くんとの関わりも今後増やしていけたらいいな〜と思っていますので是非!! (2022年10月14日 20時) (レス) id: 6967548606 (このIDを非表示/違反報告)
前田利家 - 小説めっちゃ面白いです。私のおしは前田利家です! (2022年10月14日 14時) (レス) @page5 id: 4149d8455a (このIDを非表示/違反報告)
moka(プロフ) - サナさん» わわっ!!ありがとうございますすぐに直してきます…!私も二人との絡みが欲しいなって思ってたのでこれから色々絡ませられるよう頑張ります!👍✨ (2022年9月29日 9時) (レス) id: 6967548606 (このIDを非表示/違反報告)
サナ - 明智くんの、武田くんが、武田うんになってます。上杉との(伊達も!)の絡みが欲しいです。でも、秀吉もいいですよねー。 (2022年9月29日 7時) (レス) @page47 id: cd10ddfe42 (このIDを非表示/違反報告)
moka(プロフ) - コメントありがとうございます〜!私は直ぐ秀吉くんと絡ませてしまう病気にかかっているので凄く嬉しいお言葉.....✨✨️これからも彼と絡むことは多くなりそうです笑 (2022年9月4日 19時) (レス) id: 6967548606 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:moka | 作成日時:2022年9月3日 23時

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