貴方と私のアバンチュール【新・信長公記】

第三十二話 ページ35

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疲労を重ねた秀吉くんは倒れたままで、立ち上がることは難しそうだ。
お願い…！！と手すりを強く握った瞬間、隣で織田くんがいきなりその手すりに足をかけ………、え！？

『ちょ、ちょっと！何してんの…！？』
そのまま軽やかに飛び降りた織田くんは着地後、少し顔を顰めて｢…痛い｣と言った。でしょうね！！
そして彼は秀吉くんの方に歩み寄ってしゃがみ込み、何かを囁いている。
するとそのすぐ後に秀吉くんが大声を上げて飛び上がった。

『た、立てた！みやびちゃん！！』
｢本当、ですわ…！｣
みやびちゃんと喜んでいると、終了の合図が鳴り、秀吉くんの勝利となった。

｢今回の戦いで56人が脱落。秀吉くんは56ポイント獲得｣
｢はは……やった、｣
そう言って倒れ込む秀吉くんを加藤くんが受け止めた。それに続いて毛利くん達も彼に駆け寄った。
『勝った……良かったぁ…！！』
安心でその場にへろへろとしゃがむと、みやびちゃんに心配されてしまった。




みやびちゃんは理事長室に用があるらしく、先に戻っていると伝え、彼女と別れた。
教室へと帰る道を歩いていると、曲がり角で秀吉くんと鉢合わせた。
その身体には、いくつもの戦いの証が残っている。

『秀吉くん！怪我が沢山………見てたよ、頑張ったね』
｢えっ！Aちゃんが褒めてくれるなんて…明日は雪でも降るん！？｣
『………………私ってそんなに冷たかった？』
｢うそうそ！！めちゃくちゃ嬉しい。

…あのさ。ちょっとだけ、話さん？｣
彼の提案に頷くと、｢じゃあそこに座って話そう｣と近くのベンチを指差し、二人で座った。

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