第二十三話 ページ26
・
「秀吉。手柄の横取りか?」
調理実習の後、秀吉くんが旗印戦のランキング表を見ていたので私も隣に行って見ていると、後ろから黒田くんがよく分からない発言をした。
「何が?」
「明智の卵焼き」
『??どゆこと?』
「あぁ〜…誰が作るかより、誰が喜ぶかが大事ちゃう?」
言われた瞬間はよく分からなかったものの、その後の本人の発言により、先程の調理実習のことだと気付く。
あれ……明智くんの卵焼きだったのか。いや明智くん料理上手すぎでしょ。
そうすると私達完全に騙されてたな……あとで明智くんに謝らないと。
そんなことを思っていると、黒田くんの後ろから井伊くんも話に参戦。
「秀吉ーお前ホント卑怯な奴だな。俺も見た、それ」
「は?」
「そうだ、お前確か普通の中学から来たんだよな」
「うん、そやけど」
「だったら、この卑怯モンからぶっ倒すか?」
「いいねぇ〜そうすれば余裕で1ポイントゲット!」
その言葉に秀吉くんは項垂れてしまった。
でもすぐさまパッと顔を上げてニッと笑う。
「アホやなー!お前ら、逆の発想してみ?普通の中学から来てんのにこの特進クラスに選ばれるってことは、何かあるって思わへんの?」
「何かってなんだよ」
「実は、武田を倒そうと集まった他校のヤンキーを倒したのは…俺やねん」
「は!?」
彼らの驚きの声と合わせて私も目を見開いて隣の彼を見てしまった。
す、凄いハッタリ……絶対すぐにバレるのに……
そう思って織田くんと武田くんを見たが、二人共気にもとめてなかった。
えぇ………!?武田くんはまだ分かるけど…い、良いんだ、織田くん……
呆れながら彼をみている間に、井伊くん達は信じられないという態度でごちゃごちゃ言っている。
「じゃあ!俺が倒したって奴がおったら名乗り出ろや」
ハラハラしながら織田くんをもう一度見ると、呑気に欠伸なんかしていた。嘘でしょ。
「だーれも名乗りでーへん……てことで!俺が倒したって証明された訳や!
ま、挑戦したくなったらすれば?失敗したら終わりやけど、旗印戦は!」
そう言いながら、彼はお尻を叩いて出て行った。
私はその光景を唖然と見ているしかなかった。
226人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
moka(プロフ) - 前田利家さん» コメントありがとうございます🥰💗面白いと言って下さってとてもやる気が出ますし、何より嬉しいです😭✨前田くんとの関わりも今後増やしていけたらいいな〜と思っていますので是非!! (2022年10月14日 20時) (レス) id: 6967548606 (このIDを非表示/違反報告)
前田利家 - 小説めっちゃ面白いです。私のおしは前田利家です! (2022年10月14日 14時) (レス) @page5 id: 4149d8455a (このIDを非表示/違反報告)
moka(プロフ) - サナさん» わわっ!!ありがとうございますすぐに直してきます…!私も二人との絡みが欲しいなって思ってたのでこれから色々絡ませられるよう頑張ります!👍✨ (2022年9月29日 9時) (レス) id: 6967548606 (このIDを非表示/違反報告)
サナ - 明智くんの、武田くんが、武田うんになってます。上杉との(伊達も!)の絡みが欲しいです。でも、秀吉もいいですよねー。 (2022年9月29日 7時) (レス) @page47 id: cd10ddfe42 (このIDを非表示/違反報告)
moka(プロフ) - コメントありがとうございます〜!私は直ぐ秀吉くんと絡ませてしまう病気にかかっているので凄く嬉しいお言葉.....✨✨️これからも彼と絡むことは多くなりそうです笑 (2022年9月4日 19時) (レス) id: 6967548606 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:moka | 作成日時:2022年9月3日 23時