第十一話 ページ13
・
...と、私が動く前に肩に手が置かれた。
驚いて私が振り向くとそこには立ち上がった武田くんがいて、私の方は見向きもせず、ただ真っ直ぐ前を向いていた。
「為せば成る。為さねば成らぬ。成る業を」
そう言い残した武田くんは、自分の真っ白い服をなびかせて教室から出て行った。
そして旗印戦開始を合図する法螺貝の音が鳴り響き、黒板の画面が切り替わって旗印戦の様子が映し出された。
それを見ようと皆は椅子を持ってぞろそろと前に集まっている。
みやびちゃんが教室を出て行き、私もそれに続こうとした途端、腕を掴まれた。
『秀吉くん.........わ、私も行かなきゃ...』
そう言うと彼は少し悲しそうな顔をする。
「Aちゃん...言いたいことは分かるけど、Aちゃんが怪我したらどうするん...?」
『それは......』
確かにこんな私が行ったとて、結果は何も変わらないだろう。かすり傷にもならない。
『で、でも...!』
「此奴の言う通りだ。Aが言ったところで何も変わらない」
『う"............』
秀吉くんの背後に現れた黒田くんに正論を言われ、もう何も言えなくなる。
「な?一緒に旗印戦見よ、Aちゃん」
『うん。............武田くん、大丈夫かな...』
彼とまともに話したことはないが、でも一人の大切なクラスメイトである。心配になるのは当たり前のことだろう。
彼の出ていった扉の方を見つめながらそう呟くと、秀吉くんは私の両手を掬って自分の手に包み込み、ぎゅっと握った。
「そんな心配せんでええって!きっと大丈夫やから」
『...うん、そうだよね、だって武田くん強そうだしね!』
秀吉くんに気遣わせてしまって申し訳ないな、と思いながら私は明るい言葉を返す。
.........大丈夫、なんだろうけど...
分かっていても、中々消えぬ不安を抱いたまま、秀吉くんに手を引かれ、自分も椅子を持って画面に見入る皆に加わった。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
皆との自己紹介的な下りを普通に忘れて書いてしまうという馬鹿っぷりを見せてしまいました申し訳ありません。
余裕が出来たら間話的な感じでかこうと思いますので取り敢えず今はもう仲良くなったと捉えてくださいはい......
moka
226人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
moka(プロフ) - 前田利家さん» コメントありがとうございます🥰💗面白いと言って下さってとてもやる気が出ますし、何より嬉しいです😭✨前田くんとの関わりも今後増やしていけたらいいな〜と思っていますので是非!! (2022年10月14日 20時) (レス) id: 6967548606 (このIDを非表示/違反報告)
前田利家 - 小説めっちゃ面白いです。私のおしは前田利家です! (2022年10月14日 14時) (レス) @page5 id: 4149d8455a (このIDを非表示/違反報告)
moka(プロフ) - サナさん» わわっ!!ありがとうございますすぐに直してきます…!私も二人との絡みが欲しいなって思ってたのでこれから色々絡ませられるよう頑張ります!👍✨ (2022年9月29日 9時) (レス) id: 6967548606 (このIDを非表示/違反報告)
サナ - 明智くんの、武田くんが、武田うんになってます。上杉との(伊達も!)の絡みが欲しいです。でも、秀吉もいいですよねー。 (2022年9月29日 7時) (レス) @page47 id: cd10ddfe42 (このIDを非表示/違反報告)
moka(プロフ) - コメントありがとうございます〜!私は直ぐ秀吉くんと絡ませてしまう病気にかかっているので凄く嬉しいお言葉.....✨✨️これからも彼と絡むことは多くなりそうです笑 (2022年9月4日 19時) (レス) id: 6967548606 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:moka | 作成日時:2022年9月3日 23時