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意識が遠くに沈んでいく。
この状態が夢なのか現実なのかも曖昧で、自分の体の輪郭すら曖昧になってぼやけていく感覚が襲ってくる。
耳に届くのは、Aの声だけど……距離があるのか、はっきりと全てを聞き取ることが出来ない……
.
「……そう、ですか」
あぁ、何があったの。
そんな悲しそうな声……今すぐ駆け寄って抱きしめてあげたいのに、体が言う事を聞かない。
「今回も……次回に持ち越しですね」
何か失敗したの？
「記憶は……はい、そうして下さい。もし覚えていたら、彼はきっと……」
記憶……？
覚えていたら、なに……
「私は構いません。何年でも、何百年でも……彼を守る事が出来るならそれが私の存在意義ですから」
何……何の話をしてる？
彼、って、誰……Aは誰の話をしてる？
「潤様がいない世界なんて、私には必要ありませんから」
.
「…………！！」
急に眠りから覚めたように、一瞬で目が開いた。
寝起きの悪い俺にとって、それは違和感の塊でしかなくて。
自分が置かれている状況を確認したくて周囲を見渡せば……そこは懐かしさも感じるAの部屋だったから、小さく安堵の息を漏らした。
「……潤くん？」
「……あ」
ギィ、と小さく扉の開く音がしたから、そっちに目を向ければトレイを持ったAがいて。
目があった瞬間、Aが不安げな表情に変わったから。
今、俺はどんな表情をしてるんだろうと、確かめられもしないのに自分の掌で頬を撫でた。
さっきのは、何だったんだろう。
夢だったのか……それとも。
「おはよう、気分はどう？」
「あぁ……悪くは、ない、けど」
ベッドのサイドテーブルにトレイを置いたAが、ベッドから体を起こした状態のままな俺の側に腰掛けて、そっと顔を覗き込んでくる。
ずっと会いたかった。
ずっと触れたかった。
会いたくて、会いたくて、触れたくて、堪らなくて。
それがついさっき叶ったはずなのに……
どうしてAの顔を見ることが、Aに触れることが……久しぶりに感じるのか。
「ど、したの……」
「ん……分かんねえ」
自分の輪郭を確かめたくて、Aの存在を確かめたくて、その柔らかい体に両方の腕を伸ばして抱き込んでも……
俺の不安を拭い切ることは出来なかったんだ……。
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黒衣(プロフ) - あいさん» わ〜い！コチラにもいらっしゃいませ〜！リアル設定が全く書けない分、イメージ膨らませるお話が多めとなっております(笑) 楽しんで頂けているようで良かったです♪ 最初に野生児化してしまってどうしようかと思いましたが、何とかまとまって一安心＆安定の溺愛(笑) (2018年7月7日 0時) (
レス) id: 9cf8dc8670 (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - やっとこれました(汗)こういう現実離れしたお話大好き♪自分では書けないから惚れ惚れしてしまう。そしてニノちゃん…野生児から愛する主人公ちゃんになってよかったわ。ニノちゃんの溺愛が目に浮かんで…(ふふふっ） (2018年7月5日 5時) (レス) id: 6cfe9042a6 (このIDを非表示/違反報告)
黒衣(プロフ) - みーこさん» きっとマスター時代の名残か、向こう側にいる人の察する能力の高さか、どちらかでしょう(笑) (2018年6月24日 2時) (レス) id: 9cf8dc8670 (このIDを非表示/違反報告)
黒衣(プロフ) - 橘花さん» わー！そう言って頂けるととても嬉しい！周囲に人間がいなかったのでね、野生児化しちゃいました(笑) きっとマスターはロマンチストだったんじゃないかという想定でした。そしてわんこはわんわんしないと(笑) 続きも頑張りますね！ (2018年6月24日 2時) (レス) id: 9cf8dc8670 (このIDを非表示/違反報告)
黒衣(プロフ) - しろさん» 楽しんで頂けて良かったです♪ 私もカタカタしながら「コレどうなるんじゃい」と思ってました(笑) 最後は私安定のアレでしたが(笑)、楽しんで頂けて良かったです！ (2018年6月24日 2時) (レス) id: 9cf8dc8670 (このIDを非表示/違反報告)
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