「好きだよ」 (ページ44)

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88話　side-mm ページ44

翔太くんの家はめっちゃ広い。普通の住宅街の中に超大きい家があるって感じ。
ふっかさんと康二の誕生日会の時に使わせてもらったこれまた広いリビングに入ると大きいローテーブルが置かれており、色のついた平たいクッションが9個ローテーブルの周りに置かれていた。
nb「めめは俺ん家での勉強会参加すんの初めてだろ？一人一人、クッションと席が決まってんだよ。めめのクッションは黒な」
翔太くんはそう言うと黒のクッションを指差した。この会話をしている間、他の皆は各々のクッションに座り勉強道具をローテーブルに広げていた。
黒のクッションの隣にはオレンジのクッションがあり、康二が座っていた。
kj「めめ！はよ来て勉強始めるで！翔太くんも」
「うん」
nb「俺は飲み物用意するから先始めといて。佐久間以外は麦茶な。佐久間ーお前スポドリでいい？」
sk「オッケーでやんすー」
dt「俺も手伝うよ」
nb「悪ぃな、ありがと」
自分の席に座ってちらりと阿部ちゃんを見ると、突然のゆり組に天を見上げてた。

ローテーブルの席順はお誕生日席に阿部ちゃんが座っててそこから時計回りに佐久間くん、ラウール、康二、私、翔太くん、舘さん、岩本くん、ふっかさん。って、なってたんだけど‥。
ab「この問題はこの公式を使うと出来るよ。はい、解いてみて」
「うん」
ab「集合の問題はベン図を書くと解きやすいよ」
「べんずって何？」
ab「ああ、ベン図って言うのはね‥」
私が馬鹿すぎてほとんどの問題で阿部ちゃん呼んでたらほぼマンツーマン授業になっちゃった。
佐久間くんと康二はラウールに教えてもらってるみたいだけど、翔太くんは爆睡してるし、舘さんはキッチンで料理作ってるし。岩本くんとふっかさんに関しては、いつのまにかいなくなってるし。
後半の4人自由すぎない？
ab「みんな自由だよねー」
私の心読んだ？ってくらい完璧なタイミングで阿部ちゃんがそう言った。
すると、
sk「あーーーーーーー！！！もう限界！！これ以上は頭に入らないでやんす！！！」
日本史の暗記をしていた佐久間くんがかなり大きい声でそう言った。私の正面で爆睡してる翔太くんは起きなかった、逆にすごいな。
ab「ずっと暗記ばっかしてると疲れるから、休憩に数学の問題やれば？良かったら私の問題集使う？」
阿部ちゃんはそう言うと、自分が手に持っている問題集を指差した。めちゃめちゃ分厚い。
kj「阿部ちゃんそういうことじゃないと思うで？」
sk「そういうことじゃないよ！」
ab「えー？」